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おぢばにおかえり

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第五十九話 先輩と神戸でその二十

「お蕎麦とか主食らしいんですよ」
「関東はお蕎麦よね」
「ざるそばとか」
「おうどんじゃないのよね」
「はい、それでおかずには」
「ならないのよね」
「関西じゃおうどんおかずですけれど」
 私もおうどんでご飯を食べることがあります。
「あともんじゃですね」
「あれ美味しいのかしら」
「どうでしょうか。というかお好み焼きが」
 私はこちらも大好きですが。
「メジャーじゃないんですよね」
「あちらはもんじゃだからね」
「たこ焼きもあちこちになくて」
 たこ焼き屋さんがです。
「こっちと全然違うみたいですね」
「お好み焼き定食ないのね」
「勿論焼きそば定食も」
「じゃあモダン焼きも」
 先輩は焼きそばを食べつつ言いました。
「ないのね」
「そうみたいですね」
「それはね」
 先輩は眉を少し曇らせました、そうして私に言いました。
「残念ね」
「先輩モダン焼きお好きですか」
「ええ、広島風でも入れるわね」
「広島焼きでも」
「ええ、あそこは生地と生地の間にね」
「入れますね、確かに」
「それがないのね」
「あっちではそもそもお好み焼き自体がメジャーじゃないですから」
「食文化の違いね」
「そうですね、しかも物価高いみたいですよ」
 私は担々麺を食べながら先輩に応えました。
「あっちは」
「余計によくないわね」
「関東、特に東京は」
「私住めないかも知れないわね」
「私は絶対に無理だと思います」
 自分で確信しています。 
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