おぢばにおかえり
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第五十九話 先輩と神戸でその二十一
「野球もあれですし」
「巨人よね」
「巨人の応援なんて」
それこそです。
「絶対に無理ですから」
「それ私もよ、巨人はね」
「先輩もお嫌いでしたね」
「関西人だからね」
だからという返事でした。
「ずっと阪神応援してるし」
「それ私もです」
「だからね、巨人はね」
「応援出来ないですよね」
「何があってもね。けれど関東は」
「はい、テレビとか新聞とか」
マスコミはそれこそです。
「阪神ばかりで」
「あまりいたくないわね」
「そうですね、私にしても」
「私はやっぱりね。教会の娘だし」
それでというのです。
「ずっと関西にいたいわね」
「やっぱりそうですよね」
「暮らしやすいしね」
「ですよね。兵庫県なんか特に」
私達が今いるこの県はです。
「暮らしやすいですね」
「冬は寒いけれどね」
「神戸も」
神戸の冬は北にある六甲から風が来て物凄く冷えます、六甲おろしは夏はいいですが冬は困ったものです。
「そうですしね」
「そう思うとね」
「関東、特に東京は」
「行く気がしないわ」
「住もうとも思われないですね」
「ええ、それに大きい街だとこの神戸もだし」
何といっても人口百万を超える政令指定都市です、大都市なのは事実です。
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