夢幻水滸伝
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第百四十一話 敵影発見その九
「逃げ足が速いのを自慢って」
「あかんのちゃうか」
「何言うてるねん、去る時をちゃんと見切って」
そうしてとだ、瑠璃子はミニーとジェーンに笑って返した。
「全軍ちゃんと逃がす」
「それはかいな」
「ええことやっていうんかいな」
「むしろ撤退こそ一番難しい」
由香も腕を組んで笑って言った。
「そういうもんやからな」
「そうか、ほなな」
「ここはやな」
「帰らせてもらうで」
実際に四人が率いている空船の艦隊は全速力で逃げている、セリュー達の追撃も速いがそれ以上に速くその攻撃射程の外にもいる。
「これでな」
「これは追い付けんな」
ミニーも現状を見て言った。
「残念やが」
「ほなここはやな」
「この辺りが潮時やろ」
ミニーはジェーンにも話した。
「これで」
「ほなしゃあないけどか」
「これで私達もな」
「マグ=メルに撤収か」
「そうするしかないわ」
「無念っすが」
セリューは二人にどうかという顔で述べた。
「確かに退く際の見極めも大事っすね」
「あの方々の仰る通りです」
いつもセリューの横にいるケルベロスも主に言ってきた。
「ここはです」
「そうっすな、ではマグ=メルに戻るっす」
「そうしましょう」
「わかったっすよ」
セリューはケルベロスの言葉に頷いた、そのうえでミニーとジェーンに話した。
「戻るっすよ」
「ほなな」
「そうしよな」
「シーユーアゲインっすよ」
セリューは四人に笑って話した、そしてミニーとジェーンもだった。
四人に一時の別れの挨拶をした、すると四人もそれぞれポーズを付けて別れの言葉を述べた。
「またな」
「戦場で会おうな」
「その時は恨みっこなし」
「思う存分戦おうな」
「宜しくっす」
セリューも明るく挨拶をした、そしてだった。
お互いに一時の別れの挨拶を告げ合って今は別れた、四人はすぐにだった。
蓬莱に戻ってことの次第を話した、すると綾乃は全軍に告げた。
「総員戦闘配置やね」
「そやな」
中里は綾乃の言葉に応えた。
「これから」
「そしてな」
「アメリカ軍とぶつかったら」
「戦のはじまりや」
「今回も戦おうな」
「そうしよな、皆今回も頑張ってな」
綾乃は星の者達だけでなく六十万の将兵達そして彼等と共にいる軍属の者達に対しても微笑んで言った。
「大変な戦になるけど」
「全員で戦ってやな」
「勝とうな」
「ほなな」
「既に準備は整っています」
太宰も綾乃に言ってきた。
「ですから」
「今からやね」
「棟梁の今のお言葉で」
まさにというのだ。
「総員配置につけて」
「そして何時でも」
「戦を出来ます」
「ほなな」
「戦ですね」
「そうしましょう」
こう言うのだった、そしてだった。
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