神機楼戦記オクトメディウム
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最終話 その後
ここからは、後日大邪の首に選ばれていた者がどうなったかを記述していこう。
[一の首:大神翼]
事後、彼は息子である士郎と和希の元へ帰り、親子の絆を深めて行く事となった。
一方で、その姿は大邪の力により17歳のままであったのだ。故に、問題は山積みであるのだが、これは彼等の互いに心を通わせられる家族の絆が解決していく事であろう。
[二の首:久芳宮子]
一般的に他の人からシスター・ミヤコと呼ばれている人である。
事後は彼女の本来の誠実な人柄故に再度孤児院を経営する好機を得られ、その後はあの時の不幸が二度とないように衛生管理を徹底させているようだ。
[三の首:たま]
事後も猫の妖怪になった事は変わらずに、その命を満喫している。
その後も彼女は稲田家のペットになり切って生活しており、この家の住人や千影といった者達に可愛がられて幸せな日々を送っている。
[四の首:高嶺次郎吉]
リングネームはその得意のフリッカージャブのキレっぷりと本名の捩りで、断頭台高嶺であるプロボクサーである。
事後は大邪の力で視力が回復して再びリングの上に上がれるまでに至り、その後は見事チャンピオンに輝くという偉業を成し遂げたのであった。
[五の首:夕陽神楽]
芸名は『夕陽かぐら』で通している人気アイドル。事後は大邪の力で足の怪我が治り、再び歌って踊れるアイドルとして大活躍をするに至っているようだ。
[六の首:春日礼子]
ペンネームは『春日レーコ』である漫画家。事後は姫子の励ましもあり、ファンの声援も大切にはしつつも可能な限り自分の描きたい漫画を描くという方向性へと変わった。
[七の首:大神士郎]
三神器に選ばれた戦士であると同時に、大邪の力もその内に秘めていたハイブリッド的存在。
しかし、事後は大邪の力は無くなり、普通の男子生徒として穂村宮高校での生活を満喫するに至っていた。
[八の首:八雲泉美]
大邪に見初められつつも、姫子の優しさに心打たれて三神器の戦士達と共に戦う事を選んでいた。
事後は彼女も大邪の力が無くなり、頭が切れる以外は普通の女子高生として士郎と同じく穂村宮高校での生活を満喫していたのであった。
◇ ◇ ◇
そして、大邪との1200年前から続く因縁に決着を着けた当の三人+一人は、今も仲良く穂村宮高校の屋上で一緒にいる憩いの時を過ごしていたのであった。
そこで、まず千影が口を開いた。
「それで泉美さん、邪神ヤマタノオロチという存在は、1200年前に地球に密かに移住していた地球外の人種が、地球の侵略を目論んで創った……そういう事よね?」
「ええ、そして……」
泉美が言葉を選ぼうとする所に、姫子が助け船を出す。
「それで、そんな事させてなるものかと訝った移住者の中の穏健派の人達がそれを阻止する為に地球人に与えたのが三神器だったって事だよね」
「その通りよ、二人とも」
泉美はその二人の物分かりの良さに有り難い気持ちであるのだった。何せ、後に調べて知った自分自身すらその事実が眉唾ものに思えてならないからだ。
そして、その後に士郎が続くのであった。
「そうなると、そんな物を地球へと持ち込んだその人種を放っておく訳にはいかないよな?」
「そうね、その人種は今では安息の星を手に入れて侵略など考えていないでしょうけど、もしかしたらまた地球に害をなさないとは言い切れないからね」
そう泉美は士郎にも言葉を返した。
その後に続いたのは、この四人の中でも一番ポジティブな思考の持ち主の姫子だ。
「でも、もう邪神は滅ぼした事に変わりはないよね? なら、せめて今はその平和を満喫するのは大切な事だと思うよ?」
その姫子の弁に賛同するのは千影であった。
「姫子の言う通りね。今は平和を味わいましょう。でも、万事が起こっても太刀打ち出来るように、皆で修行は欠かさないように、ね?」
「そうだね、千影ちゃん♪」
「俺も、もっと──それは和希兄さん以上の剣の達人になるまで強くなるよ」
「私は荒事は出来ないけど、この頭ならいくらでも貸してあげるわ」
そう皆は口々に言って、その後和気あいあいと元気に笑って見せたのだ。
その後、彼等は平和が戻りいつも通り午後の授業が行える大切さを噛み締めながら、屋上を後にするのであった。
【神機楼戦記 オクトメディウム】完
後書き
これにて神機楼戦記オクトメディウムの本編は完了です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
後は、後書き等を少し書きますので、よろしければそちらもどうぞ。
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