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八条学園騒動記

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第五百七十二話 アイスのことその六

「人を見る目がないし」
「そんなお店がまともな経営出来てるか」
「そうなるよね」
「どうしてもね」
「接客はしっかりしないとね」
 レミもこう言った。
「やっぱり」
「そうだよね」
 ネロはレミにも応えた。
「やっぱり」
「接客出来てない店員さんはお店傾けて」
「それでだね」
「そう、そしてね」
 それでというのだ。
「接客勉強させてないにしてもそんな人雇うとかね」
「お店として駄目だね」
「だからそうしたお店は傾くのよ」
 そうなるというのだ。
「実際に」
「そうした理屈だね」
「私はそう思うわ。馬鹿な店員がいるお店は潰れるのは」
「店員さんだけが問題じゃなくて」
「そのお店がもうどうかしているのよ」
 既にというのだ。
「そもそもね」
「人を見る目がなかったり教育もしていない様だから」
「潰れるのよ」
 レミは冷淡な声で述べた。
「そんなのだから」
「シビアな理屈だね」
「さっきネロが話した古本屋さんはね」
「お婆さんがやってた」
「お婆さんが経営者だね」
「そうだったよ」
「経営者としても駄目ね」
 この人の場合はというのだ。
「というか全然笑わなかったの」
「いつもブスーーーーーーッ、としていたよ」
 ネロはまたこう言った。
「何がそんなに面白くないんだって思う位にね」
「そんなお顔で」
「お店にいてね」
「何かカウンターに行っても」
「笑わなかったよ」
 全く、というのだ。
「何一つとしてね」
「お店やるのに向いてないわね」
「全くだよね」
「というか何でやってるのよ」
 レミはこうも言った。
「そのお婆さん」
「何か代々のお店らしくて」
「いや、それじゃあ余計にね」
「ちゃんとした経営をだよね」
「接客するでしょ」
「嫌々継いだって聞いてるよ」
「それでなの?けれどお仕事なら」
 それならとだ、レミは考える顔で述べた。
「嫌でもね」
「しないといけないよね」
「そうでしょ、というかいつもよね」
「ブスーーーーーーッ、としていてね」
 ネロはまたこう言った。
「笑うことなんかなくて接客もね」
「悪かったのね」
「そんな風で」
 それでというのだ。
「しまいにお客さんも寄り付かなくなって」
「品揃えはよくても」
「それでもね」
「潰れたのね」
「そうなってね。お婆さんもう何処かで年金暮らしらしいよ」
「そうなったのね」
「まあ年金で暮らしていけるし」
 それでとだ、ネロは話した。 
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