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八条学園騒動記

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第五百七十二話 アイスのことその五

 実際に二人は接客のことを店で働く者達に話した、それは親切丁寧なもので皆すぐに身に着いた。それでだった。
 ネロは唸って言った。
「いや、本当にね」
「接客も万全そうだね」
「間違いないね」
 こうマルティに述べた。
「これは」
「お店って味だけじゃないからね」
「値段も大事だし」
「接客もね」
「そう、大事だから」
 こう言うのだった。
「味がよくても接客が悪いとね」
「お店は駄目だからね」
「味は関係ないけれど」
 ネロはこうも話した。
「実家の近くの商店街に古本屋さんがあったけれど」
「そのお店の接客がなんだ」
「品揃えはよかったのに」
 それでもというのだ。
「そこのお婆さんが凄く不愛想で接客もね」
「酷かったんだ」
「睨む感じで」
 それでというのだ。
「お客さん日本のこと聞いても知らぬ存ぜぬで」
「それやる気ないよね」
「そんなのだったから」
「お店潰れたね」
「そうなったよ」
「そうだよね」
 マルティも聞いて納得することだった。
「そんな人が商売出来ないよ」
「いつもブスーーーーーーッ、とした顔していて」
 ネロはその老婆についてさらに話した。
「絶対に笑わなかったし」
「それでだったんだ」
「そう、お客さんにもね」
「そんな態度だったから」
「お店潰れて」
 それでというのだ。
「今はそこゲームショップなんだ」
「ソフト売ってるんだ」
「今は気のいい赤髪のお兄ちゃんがやってるけれど」
 そのゲームショップを経営しているというのだ。
「こっちは人気なんだ」
「お兄さんの接客がいいからだね」
「そうだよ」
「そうした話僕も知ってるよ。個室ビデオでね」
「そのお店十八歳未満駄目だよね」
 ネロはマルティが言った店のジャンルのことから話した。
「そうだよね」
「だからおおっぴらに話せないけれど」
「そうしたお店でだね」
「うん、若い男の店員さんで」
 その店員がというのだ。
「やっぱり不愛想でお客さんを睨む感じで」
「そのお婆さんと似てるね」
「ちょっとしたことでお客さんに愚痴る」
「よくそんな人雇ったね」
「それでそのお店もね」
「潰れたんだね」
「出来て一年で」
 それだけの歳月でというのだ。
「一旦ね」
「そうなったんだ」
「それで店長さん代わってまたやってるけれど」
「その若い店員さんいなくなったね」
「うん、真っ先に辞めさせたって新しい店長さん言ってたよ」
「そうだろうね、というか」
 ネロはその話を聞いて言った。
「駄目な店員さん雇ってるとね」
「お店に影響出るよね」
「というかそんな人を雇うお店自体が」
 そもそもというのだ。 
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