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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十六話 香織さんとの距離その十二

「切腹間違いなしだから」
「江戸の中でも駄目だったし」
「城内はもう絶対だったから」
「そこで刀抜いて」
「その場がその場だったから」
「浅野さんが全面的に悪いわね」
「喧嘩両成敗じゃなくてね」
 こうして考えたら吉良さんにお咎めなしも当然だ。
「もう自明の理だよ」
「それこそ」
「それで終わらずに」
「討ち入りになったのね」
「それで赤穂浪士の人達江戸市中で刀抜いて大暴れしたから」
「吉良さん殺したし」
「他に何人も犠牲者出たから」
 考えてみればテロだ、現代で言うとそうなるかも知れない。
「もうね」
「全員切腹もしかたないことね」
「江戸市中で刀抜いた時点でね」
「やっぱり駄目ね」
「とにかくこのことが問題だから」
 主君の人と同じ位にだ。
「それをやったから」
「駄目なのね」
「もっと凄いのはここで助命の話が幕府で出たんだよね」
「江戸市中で刀抜いても」
「しかも預かった藩によっては大事にしたし」
 逆に大事にしなかった藩は江戸時代が終わるまでずっと武士の情けも知らないとずっと批判されてきた。
「凄いお話だよ、まあ結局ね」
「全員切腹よね」
「それもお部屋の中でね」
「ひょっとして打ち首でも」
「問題なかったかもね」
「幕府の恩情かしら」
 赤穂浪士の人達の誇りを忠義を尊重した、というのだ。
「ひょっとして」
「そうかもね」
 僕も香織さんにこう答えた。
「実は」
「そうだったのね」
「ここまで言うと忠臣蔵って」
「吉良さん一方的な被害者?」
「そうなるかもね」
「そうよね」
「もう何ていうか」
 僕も今思った。
「酷い話だね」
「そうよね」
「見方によっては」
「桜田門外の変とは違うのね」
「幕末の」
「忠臣蔵の時も雪であの時も雪よね」
「江戸っていうか東京ってね」
 僕はその雪の話から香織さんに話した。
「実は雪が降るとね」
「何かあるのよね」
「あと二・二六事件もあったし」
 この時も雪だった。
「そう考えるとね」
「あそこで何かある時って雪ね」
「そう、冬にね」
 まさにその時にだ。
「何かあるんだよ」
「赤穂浪士にしても」
「あとその桜田門外の変もね」
「不思議な縁ね」
「それで桜田門外の変は」
 この話はというと、
「もうやりたい放題だった井伊直弼さんがね」
「殺された話で」
「結構自業自得かな」
 正直嫌いな人なのでこう言った。 
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