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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十六話 香織さんとの距離その三

「国際詐欺とか言われてるわね」
「高い契約金払ってね」
 そして年棒もだ。
「それがね」
「中々来ないでね」
「開幕してもね、それでね」
 僕はこの人についてさらに話した。
「やっと来たら」
「すぐに帰ってね」
「そこで引退したんだよ」
「酷いお話ね」
「だからね」
「今も言われてるわね」
「そう、国際詐欺だって」
 その様にだ。
「あんまりにも酷くて」
「そうよね」
「こんな人もいたからね」
「阪神のバッターについては」
「あとディアーって人も」
 この人はというと。
「三十打席以上ノーヒットでね」
「物凄く打たなかったのね」
「それが新聞にも載ったし」
「とにかく打たなかったのね」
「本当に阪神のバッターの助っ人は」
「どうかって人多かったのね」
「そうなんだよね」
 現実としてだ。
「フィルダーさんはその人達とはね」
「違うのね」
「そうなんだ、まあその人達のお話はともかく」
「ええ、テストね」
「期末テストもあるね」
 このことが問題だった。
「十二月は」
「そうよね、色々あるけれど」
「避けて通れないね」
「勝負の時よね」
「香織さんは大丈夫だよね」
 図書館の四人用の席の一つに向かい合って座ってそこであらためて尋ねた。
「期末テストは」
「一応勉強してるわ」
「一応?」
「ええ、ただね」
 それでもとだ、僕にこう言った。
「それでもね」
「自信ないんだ」
「ええ、テストが終わるまでは」 
 香織さんは僕にどうかという顔で答えた。
「それで結果を見るまではね」
「わからないっていうんだ」
「ええ、出来たと思っても」  
 自分自身がというのだ。
「それでもね」
「自分が思っているだけとか」
「そうした場合があるから」
 だからだというのだ。
「一応なの」
「自信ないんだ」
「いつもね、テストのことは」
「けれど香織さんは」
 僕は香織さんのテストのいつもの結果を知っている、それでこう言った。
「成績いいよ」
「そう言ってくれるのね」
「うん、だからね」
 そんな自信のない位の成績に思えずだ、香織さんに言った。
「自信持ってもいいと思うわ」
「そうなの」
「そう、出来てるよ」
 こう香織さんに話した。
「だからね」
「自信を持ってそうして」
「勉強の結果を出すと思って」
「テストを受ければいいのね」
「少なくとも赤点取らない位はね」
 僕が見る限りにしてもだ。 
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