夢幻水滸伝
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第百三十九話 軍師の読みその十三
「僕と自分は今回もな」
「一騎打ちやな」
「それに出てもらうで」
「そうなるな」
「中国戦と同じでな」
「やっぱり神星には神星やな」
中里は真剣な顔で述べた。
「そうなるな」
「神星のモンを軍勢同士の戦に出すとな」
「僕も出てたしな」
「どやった」
中里に笑って問うた。
「戦がごっつい楽やったやろ」
「南洋戦でな」
この戦のことを思い出しつつだ、中里は芥川に答えた。
「軍勢を思う存分動かせた」
「そして自分自身戦場で戦ってな」
「軍勢同士の戦の決定的な勝因になったわ」
「その一つにな」
「そして中国戦でもな」
今度はこの戦のことを話した。
「綾乃ちゃんがおってな」
「勝てたやろ」
「そうなったな」
「今回も一緒や」
「アメリカの神星の力は封じる」
「トウェインとメルヴィルをな」
「僕達が相手をして」
一騎打ち、それに持ち込んでというのだ。
「そうするな」
「毒には毒をって言うやろ」
「毒を以て毒を制すやな」
「夷を以て夷を制すとも言うけどな」
「これは本来敵同士を戦わせるって意味やったな」
「そや、この場合は強敵には同格の相手をぶつけて」
例えそれが自分達であってもというのだ。
「そしてや」
「相手を封じるんやな」
「そうするということや」
「要するにやな」
「そしてな」
「残った綾乃ちゃんをやな」
「軍勢同士の戦で戦ってもらう」
綾乃を見て言った言葉だ。
「そうしてもらう」
「うちを狙ってきてもやね」
「逆にな」
「うちの攻撃でやね」
「敵軍に決定的な打撃を与えてく」
「そうするんやね」
「向こうは星のモンも総動員するけれどな」
「その星の子達をやね」
「全員一騎打ちに持ち込む、攻めようと思えば」
星の者達の力を使ってというのだ。
「そう考えたらな」
「そうするしかないさかい」
「そや」
まさにというのだ。
「そこが狙い目や」
「一騎打ちに持ち込む」
「これでアメリカの星のモンを全員動けん様にして」
「そうしてやね」
「そこからな」
さらにというのだ。
「こっちの残った星のモンとな」
「さらにやね」
「軍勢で戦う、こっちには六十万の軍勢を指揮出来るモンも何人かおる」
軍の采配を執る中里が一騎打ちに出てもというのだ。
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