夢幻水滸伝
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第百三十九話 軍師の読みその十二
「残ったモンで軍勢を指揮させてな」
「敵の軍勢を攻めさせる」
「このことが大きい、兵力差はあっても」
「それで勝ってきたたいな」
「そういうことやからな」
中里は美鈴にも話した。
「向こうがこっちを侮ってなくてもな」
「そして油断してなかっても」
「勝ってきた、後な」
ここで中里はこうも言った。
「こっちの戦をな」
「それをたいな」
「してきたからな」
日本のそれをというのだ。
「よかったな」
「そういうことたいな」
「これがな」
中里はこうも言った。
「余所行きの戦をしたらな」
「負けてたたいな」
「戦でもスポーツでもな」
「余所行きの戦をしたら負けるとよ」
美鈴もそこは言った。
「その時点で」
「劣勢やとな」
「実際スポーツでそれで負けたチームとか人多いしな」
「自分の戦をして相手のそれに流されん」
坂口も言ってきた。
「そういうことだがや」
「その通りや、それが出来てこそな」
「まさにだぎゃ」
「勝ててな」
「うちは勝ってきてるだぎゃ」
「それでアメリカとの戦でもな」
次の戦でもというのだ。
「勝ってくで」
「日本の戦をするだぎゃな」
「絶対にな、それで思うことは」
ここでだ、中里はこうしたことも言った。
「戦の采配と策はまたちゃうな」
「ああ、それな」
その策を考える芥川が応えた。
「軍を動かすこととな」
「相手をこっちの策に置くことはやな」
「またちゃう」
「そやな」
「策は相手を嵌める」
「自分は相手の動きを読めるけどな」
敵軍や敵の将帥の考えをというのだ。
「それで采配は執れても」
「ちょっとな」
「そやろ、台風使ったりな」
「海の中から綾乃ちゃん進ませたりな」
「今回の備えとかな」
「そうしたことはな」
どうしてもとだ、中里は答えた。
「考えがつかん」
「そやろ、そこを考えるのがな」
「軍師でやな」
「僕の仕事でな」
「策やな」
「軍師は今風に言うと参謀や」
「簡単に言うとやな」
ここで中里はこう言った。
「将帥の将は軍を指揮して動かしてな」
「師は作戦を考えて案を出す」
「それがそれぞれの仕事やな」
「そや、それでや」
「自分は軍師やな」
「そっちになる」
芥川は中里に話した。
「そういうことや」
「そやな」
「その違いがわかってるってことはな」
「それぞれの仕事の区分もわかってるな」
「そういうことや、それでな」
芥川はさらに話した。
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