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麗しのヴァンパイア

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第二百五十六話

第二百五十六話  細長い眉
 亜美は自分の眉の形についてセレニティとアルテミスに述べた。
「うちの眉毛って細長いな」
「はい、そうした形ですね」
「細くて長いですね」
 実際にとだ、主と共に鏡の前にいる二匹も答えた。二匹は主の両肩にそれぞれいてそこから鏡を見ている。
「カーブを描いていて」
「いい形かと」
「そやね、ただ」
 ここで亜美はこうも言った。
「この眉毛形変えられるやろか」
「その眉毛の形をですか」
「それが出来るかどうかですか」
「どやろ、太くしたりな」
 具体的にどうした形にするかも話した。
「あと色変えたり」
「眉毛の色をですか」
「染められるのですか」
「そうもしよかってな」
 その様にというのだ。
「今思ったけれどな」
「そうですか、ですが別にです」
「形はそのままでいいかと」
 二匹は主にこう答えた。
「もう充分いい形なので」
「ですから」
「もうそのままでいて、です」
「維持されるといいかと」
「形はそやねんね、しかしな」 
 亜美は自分の眉を見つつこうも言った。
「色はな」
「それは、ですか」
「これからですか」
「考えようか、髪の毛までは考えてへんけど」
 それでもというのだ。
「色はな」
「考えていかれますか」
「少し」
「茶色にしたり金髪にしたり」
 その色の話もした。
「そうしたらどうやろ」
「どうでしょうか」
「私達はどうも言いかねます」
 二匹はこう返した。
「眉毛の色までは」
「どうも」
 二匹は微妙な顔で主に答えた。
「些細なことですし」
「それ位なら問題ないと思いますし」
「そやね、どうしたもんやろ」
 亜美は鏡に映る自分の眉を見つつ言う、眉毛の話は彼女にとって少しした大事なことになっていくのはこの時からだった。


第二百五十六話   完


                 2020・4・16 
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