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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十五話 小野さんのお話その十二

「そうしてです」
「天理教が嫌いになったんですね」
「そうもなりましたし」
「言葉は大きいですね」
「はい、文章もそうですが」
 それ以上にという言葉だった。
「言葉はです」
「大きいですね」
「迂闊な一言が傷付けることもありますね」
「軽い気持ちで言っても」
「おそらくその先輩もです」
「軽い気持ちだったんですね」
「相手の人に軽い気持ちで言って」
 そうしてというのだ。
「天理教の人でありながら」
「天理教を嫌いな人を作ったんですね」
「そうかと」
「天理教の人が天理教を嫌う人を作るとか」
「お話にもならないですね」
「全くですね」
 そう思うしかないことだ、本当に。
「それは」
「そうしたことをしたのですから」
 それでというのだ。
「その人はです」
「取り返しがつかないことをしましたか」
「そう思います、ただ」
「ただ?」
「天理教に戻ることもです」
「その離れた人がですか」
「あるかも知れません」
 小野さんはこうも話してくれた。
「若しかして」
「そうですか」
「そこは神様のお話で」
「神様がどう引き寄せてくれるかですね」
「結局そうしたことを言う人は下らない人です」
「人を傷付ける言葉を出す人は」
「少なくともその時点では」
 言ったその時点ではというのだ。
「そうした人でした」
「そうですか」
「そこから成長するかも知れないですが」
「それでもその時点ではですか」
「その様なことを言う人は下らない人です」
 僕にこう断言してくれた。
「全く以て、下らない人の言うことに重みはありますか」
「ないですね」
 僕は即座に答えることが出来た。
「それは」
「左様ですね」
「はい、ですから」
「それで、ですか」
「そうした人の言葉は軽く」
 それでというのだ。
「大きな人がです」
「天理教の中にいる」
「その人が離れた人にお話すれば」
 その時はというのだ。
「それで、です」
「戻ることもですか」
「あります」
「そうですか」
「はい、それはです」
 まさにという言葉だった。
「有り得ることです」
「そうなんですね」
「一万匹の害虫と一羽の孔雀の違いです」
「害虫と孔雀ですか」
「害虫は孔雀には勝てません」
「むしろ孔雀に食べられますね」
「下らない人はです」
 まさにというのだ、小野さんの今の言葉は極端にも聞こえたけれどそれでもわかりやすい言葉に思えた。
「そんなものです」
「大きな人と比べると」
「害虫に過ぎず」
「その言葉もですか」
「害虫の羽根が動く音の様なものです」
 そうだというのだ。
「その程度のものです」
「そうですか」
「はい、ですが大きな人の言葉は」
 それはというのだ。 
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