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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百七十五話 小野さんのお話その十三

「孔雀が思いきり羽根を開いた」
「その姿の様なものですか」
「左様です」
「害虫の羽根の音と」
「孔雀の羽根位の違いがあります」
「物凄い違いですね」
 例えにしても凄いと思った。
「それはまた」
「左様ですね、ですが」
「例えとしてですか」
「心からそう思いますので」
「下らない意見には左右されない」
「そして聞くべきは」
 まさにそれこそはというのだ。
「大きな人の言葉です」
「孔雀の羽根が開かれた様に」
「害虫の羽根を見ても何にもなりませんね」
「はい」
 一体それに何の意味があるのか、はっきり言って僕にはそれが全く何の意味もないとしか思えない。
「何一つとしてです」
「得るものはないですね」
「そうですね」
「しかし」
「それが孔雀の羽根になりますと」
「見るべきですね」
「そこには確かなものがあります」
 紛れもなく、そうした言葉だった。
「ですから」
「人はそうしたものを見て」
「下らない人の言葉は聞かないことです」
「若し聞いても」
「気にしないことです、心を傷付ける言葉よりも」
 まさにそれが下らない言葉だというのだ。
「心を癒してくて大きくしてくれて前に進ませてくれる」
「そうした言葉を聞くべきですね」
「黄金の精神を持つ人の言葉には黄金の輝きがあります」
「その心が出て」
「はい、義和様もそうした人も言葉を聞かれて」
「生きるべきですね」
「左様です、そのことをお願いします」
 僕に微笑んで話してくれた。
「是非」
「そうさせてもらいます」
「そしてクリスマスはです」
「楽しみにしてですね」
「お待ち下さい、酒池肉林となりますので」
「文字通りのですね」
「左様です」
 美味しいお酒に美味しいご馳走がふんだんに出るというのだ、この言葉はありのままに言うと本来はそうした意味になる。ただしこの言葉が出た史記では乱痴気騒ぎも入るからそこは考えるとよくないかも知れない。
「それをご期待下さい」
「そうさせてもらいます」 
 僕は小野さんに笑顔で応えた、そしてだった。
 その後でそっと詩織さんに話して二人の唾液を取ってご本家のお医者さんに事情をこっそりと話した、そちらはもう大体確信していたけれどやっぱり科学的な証明が欲しくてそうした。けれど騒ぎはまた別の方に進んでいった。


第二百七十五話   完


                  2020・3・8 
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