夢幻水滸伝
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第百三十七話 連勝を見てその十
「同じで」
「そういえばあいつもな」
「アイス好きですね」
「大好きやな」
「キューバ人は大体そやな」
サンチェスはインファンテの祖国のことから話した。
「アイス大好きやな」
「あの旦那もそうで」
「自分もやな」
「アイス大好きで」
それでとだ、ガルパンはサンチェスにも話した。
「抹茶アイスもです」
「好きなんやな」
「今日本酒で肴も和食メインやさかい」
「アイスはアイスでもか」
「抹茶アイスって思いました」
それで話に出したというのだ。
「そうしました」
「そうなんやな」
「それでどうでっしゃろ」
ガルパンはサンチェスにも問うた。
「抹茶アイスは」
「ええセンスや」
サンチェスはガルパンに笑って答えた。
「それはな」
「そう言ってくれますか」
「ほな自分はそれでいけばええ」
抹茶アイス、それをデザートにしてというのだ。
「そうすればええ」
「ほな」
「しかし自分とインファンテ特に仲悪くないな」
「むしろ結構二人でお話します」
「そやな」
「祖国同士はどうにもですけど」
つまり仲が悪いというのだ。
「スポーツでも」
「特に野球でな」
「お互い明るい国民性ですけれど」
ガルパンは言うには底抜けにだ、ドミニカにしろキューバにしろ音楽とダンスを愛する国民性である。
「ライバル同士で政治的にも」
「対立しててな」
「そうですけど」
「自分等はやな」
「起きた世界でも言葉通じますし」
このこともあってというのだ。
「実際にです」
「仲がええな」
「馬が合いますわ」
「あいつはええ海賊やしな」
「海賊は悪党が多いですが」
それでもというのだ。
「あの人はちゃいますから」
「むしろ海で戦う英雄やな」
「そうしたお人で」
「一緒にいてもやな」
「色々勉強になりますし」
それにというのだ。
「正義感と義侠心もあって」
「江漢って言ってええな」
「ほんまに」
そうした人物だというのだ、インファンテは。
「そやからよく一緒にいます」
「起きた世界でもな」
「それで思うんですけど」
ガルパンはこうも言った。
「スペイン語って便利ですね」
「それな」
ブラジル人のアグノンもガルパンの今の言葉に応えた、ブラジルはポルトガル語だがスペイン語とは方言位の違いなので普通に会話が出来るのだ。
「確かにな」
「その通りですね」
「そう思うわ」
アグノンは自分のお好み焼きの残りを食べつつ言った。
「スペイン語は喋る人口多いからな」
「スペインだけじゃないですからね」
ガルパンもこのことを指摘した。
「中南米全体に」
「ブラジルにしてもな」
「アグノンさんのお国も」
「ポルトガル語はほんま方言程の違いや」
彼自身も言うことだった。
「それで普通に話せる」
「そうなんですよね」
「イタリア語とも近いからな」
これは同じラテン系の言語だからだ。
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