八条学園騒動記
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第五百六十七話 喫茶店の服その六
「闇に生き闇に死ぬ」
「そうした人達よね」
「まさにスパイだよ」
「スパイって目立たないわよね」
「目立ったら終わりだよね」
「ええ、すぐに捕まるわ」
それこそとだ、ウェンディはベンに答えた。
「その時点で」
「そう、だからね」
「それでよね」
「スパイは目立たなくてね」
ベンはウェンディにさらに話した。
「忍者もだよ」
「そうよね」
「本当に目立ったら終わりだから」
まさにその時点でというのだ。
「くノ一の服もね」
「あんな目立つ格好じゃなくて」
「忍装束だったよ」
まさにこの服だったというのだ。
「ミニ丈の着物じゃなかった筈だよ」
「忍装束の方が安全だし」
「余計にね」
「そうよね」
「ただ。ブルマは実在したんだよね」
ベンはこの服についてはこう述べた。
「二十世紀後半の日本に」
「それが凄いわね」
「本当に下着か水着で表歩いてる様なものだね」
「そんな恰好で男子生徒や先生の前に出たら」
それこそとだ、レミは真顔で言った。
「もうね」
「大変なことになるよね」
「そうなるとしか思えないわ」
レミの表情は真顔のままであった。
「正直言って」
「そうだよね」
「半ズボンとかだったらね」
「ないよね」
「スパッツとかね」
「ジャージなら尚更だね」
「有り得ないわ、けれど」
それでもというのだ。
「水泳の授業の時はね」
「絶対に水着だからね」
「この時は仕方ないしにても」
「普通の体育の授業の時は」
「絶対に嫌よ、レオタードでもね」
この服もというのだ。
「そう言うわ」
「それが普通だよね」
「当時の日本って何であんな服があったのかしら」
レミはそれが不思議だとさえ言った。
「訳がわからないわ」
「服ってそういうのあるわよね」
ウェンディはここでレミに応えて言ってきた。
「どうも」
「当時のファッションとかでね」
「そうよね」
「何でこんなのって服実際にあるわね」
「ブルマもそうかしら」
「最初はああしたデザインじゃなかったみたいだよ」
ベンは二人に冷静な声で答えた。
「膝まであったんだ」
「あれっ、そうなの」
「じゃあ半ズボンみたいなものね」
「それじゃあ全然ね」
「露出ないわね」
「下着だって昔はそうだったよね」
今度はこちらの話をした。
「昔はトランクスみたいだったじゃない」
「女の子の下着は」
「そうだったわね」
「それがショーツになったね」
「それで定着してね」
「ずっとそうよね」
「そう、そうなったから」
だからだというのだ。
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