八条学園騒動記
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第五百六十五話 歌劇も観てその五
「はっきり言ったら」
「だからね」
「それからは離れて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「やっていこうね」
「そういうことだね」
「というかこのお話って伝説じゃないかな」
「シェークスピアと錬金術の関係は」
「そんな初版なんて」
シェークスピア作品のそれはというのだ、この時代でも彼の作品の初版本は保存はされていて大英図書館に秘蔵されている。
「もうあってもね」
「見ることは出来ないよね」
「イギリスが持っていて」
その大英図書館にというのだ。
「あることはあっても」
「その目には見られなくて」
「一応写本があって」
「そっちがあるんだ」
「そっちはエウロパだと読めるみたいだよ」
「そうなんだ」
「連合でも電子書籍でもね」
こちらの方でもというのだ。
「読めるらしいけれど」
「じゃあ錬金術のことも」
「いや、言葉違うし」
「ああ、シェークスピアは英語だね」
「それも昔のね」
言うまでもなくシェークスピアの時代、十六世紀後半から二十世紀初頭の頃の英語もっと言えばイングランド語である。
「それでね、あとイラストにも」
「そっちにもなんだ」
「秘密があるってことだけれど」
「じゃあ初版本でないと」
「わからないけれど」
それでもというのだ。
「わかる人ってね」
「セーラ位だね」
「僕が思い当たる人だとね」
「そんなお話なんだ」
「うん、これで本は書けるかもね」
「本当か嘘かは別にして」
「それでね、けれどまた言うけれど」
菅はマルティにあらためて話した。
「このお話はね」
「僕達の主題じゃないね」
「お芝居が主題だから」
それでというのだ。
「そっちのことをね」
「やっていけばいいね」
「そうしていこう」
「それじゃあね」
マルティも頷いた、それで彼とそのファルスタッフの話をしていったが彼はここで主人公以外の登場人物の話もした。
するとだった、菅は彼に話した。
「うん、他の役のことも考えるとね」
「いいんだね」
「その役だけじゃなくて」
自分の演じる役だけでなくというのだ。
「他の役もね」
「広く見て」
「そして考えていくとね」
「いいんだね」
「舞台はね」
今自分達がやる作品に限らずというのだ。
「その役だけじゃなくて」
「脇役もだね」
「そう、そちらも観て」
そしてというのだ。
「考えていくとね」
「いいんだね」
「そして作品全体を観て考えれば」
それでというのだ。
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