八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百七十話 神戸に戻ってその四
「そうされて下さい」
「そうさせてもらいます」
僕もこう答えた。
「これから」
「ではこれで、ですね」
ガードマンの中でリーダー格だった人がお話してくれた。
「解散ですね」
「そうなりますね」
畑中さんも応えた。
「これで」
「はい、それでは」
「解散ということで」
こうお話してだった。
僕達は解散となってそれぞれの場所に戻った、そうして。
僕は畑中さん、奥さんと一緒に車で八条荘に送ってもらった。八条荘に着いた時にはもう夜遅くだった。
それで僕は畑中さんご夫婦と食堂に降りると小野さんが出て来た、そして。
僕達に対して微笑んでこう言ってくれた。
「お疲れ様でした」
「ご存知でしたか」
「畑中さんからお聞きしました」
「それで、ですか」
「私もです」
知っていたというのだ。
「左様です」
「そうだったんですね」
「それでお待ちしておりました」
「そうしてくれていたんですか」
「もうご飯の用意は出来ています」
「メニューは何ですか?」
「ステーキとです」
それにというのだ。
「カツです」
「テキに勝つ、ですか」
「勝ったとなりますか」
「いえ、ことは終わりましたが」
それでもとだ、僕は小野さんにお話した。
「これから色々弁護士さんとか相手の悪事を公表とか」
「そうしたことにですか」
「なっていきますので」
「それで、ですね」
「まだお話は続きます」
「左様ですか」
「ただ」
僕は小野さんに微笑んでこうもお話させてもらった。
「お袋は無事救出しました」
「そのことは果たされましたね」
「それで親父と一緒にイタリアに向かってます」
「そうなのですね」
「ですから」
それでとだ、僕は小野さんにお話した。
「お袋のことはもう大丈夫です」
「敵に勝った、でしょうか」
「そうした意味ではそうですね」
「後何かとあっても」
「後はもう」
それこそだ。
「総帥さんが動かれるそうです」
「あの方がですか」
「周りの人達と一緒に」
「なら大丈夫です、あの方が動かれたら」
「それならですね」
「大きな山が動いた様なものです」
そこまでのものだというのだ。
「それなら」
「物凄い力持ってますからね、総帥さん」
「世界経済すら動かせますから」
このことは本当のことだ。
「世界屈指の企業グループの総帥さんですから」
「そしてその企業グループを経営している八条家の家長さんですね」
「そうした方ですから」
その手にあるお力は本当に凄いものがある、普段は穏やかだけれど動かれるとなると本当に凄い方だ。
「ですから」
「それで、ですね」
「あの方が動かれるなら」
「もう問題はないですね」
「あの方が動かれると天が動くとさえ言われています」
そこまでのお力をお持ちだというのだ。
ページ上へ戻る