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八条学園騒動記

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第五百六十二話 劇の題目その十一

「はじまるね」
「ええ、体育祭と並んでね」
「学校の重要なイベントだからね」
「あと修学旅行もあるけれど」
「これもね」 
 その文化祭もというのだ。
「大事だから」
「楽しんでいこうね」
「さて、こうしたイベントになるとな」
 ここでフックが言った。
「俺も忙しくなるな」
「ラビニアとね」
「あいつがまた言ってくるからな」
 フックはペリーヌに応えて話した。
「だからな」
「あんたも乗るしね」
「乗らないでいられるか」
 フックは真剣な顔で述べた、その褐色の顔が笑顔になっているところに彼のラビニアに対する感情が出ていた。
「もうな」
「そうよね」
「そしてな」
「勝つのね」
「前は負けたからな」
 だからだというのだ。
「昨日の話だがな」
「昨日何があったの?」
「ゲームセンターでレースのゲームをしたが」
 それでもというのだ。
「そのレースで負けた」
「ああ、それでなの」
「今回は負けないと思っているんだ」
「そう言っても文化祭がはじまるまでにまた勝負するでしょ」
「そうかもな」
 フックも否定しなかった。
「俺達はな」
「そのゲームセンターで会えば」
「その時はな」
 まさにというのだ。
「また勝負するな」
「やっぱりそうよね」
「とにかく何かあるとな」
「あんた達勝負するから」
「あいつはゲーム部にも所属している」
 ゲームで勝負を競う部活だ、尚フックもこの部とは関係がある。
「だからな」
「ゲーム部に行ってなのね」
「レースの借りを返す」
「あんたも今回の文化祭色々ありそうね」
「自分でもそう思っている」
「やっぱりね、まあとにかくいよいよね」
 ペリーヌはあらためてこの言葉を出した。
「文化祭スタートね」
「そうだな」
「今回も楽しんでいきましょう」
 ペリーヌは皆に話した、二年S1組そして八条学園全体が文化祭の中に入っていくそのはじまりを前にして。


劇の題目   完


                     2020・3・2 
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