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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十八話 武力と暴力その四

「自分自身だけじゃなくてな」
「従業員の人達食べさせて会社を発展させて」
「そうしないといけないからな」 
 だからなのだ。
「もうな」
「どうしてもだね」
「ああ、本当に戦争はな」
「しないことが第一だね」
「だから財閥解体はな」
「的外れだったかな」
「俺はそう思うさ、戦争したくないなら」
 親父ははっきりと言った。
「金儲けることだよ」
「働いてだね」
「ああ、そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「それを続けることだよ」
「そういうことだね」
「ああ、そしてな」
 親父は僕にさらに話してきた。
「母さんの実家もな」
「財閥解体の煽り受けたんだ」
「そうだったんだよ、けれどな」
「けれど?」
「むしろ八条家よりすぐに立ち直ってな」
「それでなんだ」
「秋田にかなりの、しかも裏の方にもな」
 そちらにもというのだ。
「絶対者っていうな」
「そうした家だね」
「むしろ表よりもな」
「裏になんだ」
「相当力を入れていてな」
「そうした家だから」
「俺も結婚前随分狙われてな」
 冗談抜きで何度も殺されそうになってというのだ。
「そしてな」
「結婚してからも」
「今話した通りだよ」
「お袋攫ったんだ」
「非合法なんて当たり前のな」
「そんな人達だから」
「俺達も今回はな」
 相手が相手だけにというのだ。
「手荒にいくんだよ、若し向こうが法律出してきても」
「こっちはだね」
「何とでも出来るさ」
「お袋を奪い返して」
「一応武器はあるさ、けれど俺はな」
 それでもというのだ。
「やっぱりな」
「それ抜きでもなんだ」
「やってやるさ、こっちは武力でな」
 それでというのだ。
「相手は暴力だ」
「負ける筈がないんだね」
「ああ、まあこっちの手荒なことはな」
「するよね」
「どうしてもな、けれど言ったな」
「暴力はだね」
「振るわないからな」
 このことは絶対だというのだ。
「本当に」
「そうだよね」
「だからな」
 それでというのだ。
「そこは見ておけよ」
「暴力は弱い力だね」
「そのこともな、じゃあな」
「今からだね」
「行くな」
「お袋の実家まで」
「もうすぐの場所だしな」
 親父はその雪の中で話した。 
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