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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十八話 武力と暴力その五

「いきなり襲撃仕掛けてな」
「そしてだね」
「母さんを救い出してな」
「それからもだね」
「やっぱり一気にな」
「撤収するんだ」
「風みたいにな、風みたいに襲撃仕掛けて」
 そしてというのだ。
「後はな」
「風みたいに撤収して」
「その後はな」
 親父はこうも言った。
「母さんの家の悪事はもう全部掴んでいるんだ」
「お袋のことは誘拐と監禁だね」
「それえだけじゃない家だからな」
「他にも悪いことをだね」
「色々やってるからな」
 それでというのだ。
「もうその証拠は確実に掴んでるからな」
「僕達のやることも犯罪になるよね」
「はっきり言えばな、不法侵入やら器物破損やらな」
「色々な話になるね」
「ああ、けれどな」
 それでもとだ、親父は僕に笑ってこうも話した。
「顔がわからないでこっちの正体もな」
「わからないとだね」
「いいんだよ、このトラックはことが終わったらすぐにアフリカの方に売るしな」
「アフリカなんだ」
「秋田にいたんじゃそうそうわからないところにな」
「アフリカでもだね」
「タンザニアの方にな」
 アフリカ中央部の国だ、野生動物でも有名な国だ。
「売るからな」
「証拠はだね」
「残さないさ、薬莢もな」
 銃撃の時に出るこれもというのだ。
「全部出てもな」
「落とさない様になんだ」
「銃に袋付けてな」
 そうしてというのだ。
「落とさない様にするからな」
「その配慮も忘れないんだ」
「ああ、そしてな」 
 そのうえでとだ、親父は僕にさらに話してくれた。
「証拠は残さないでな」
「やっていくんだね」
「全部そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「やっていくからな」
「それでこっちがしたことは」
「わからない様にするし万一言おうとしても」
「相手の悪事をなんだ」
「全部警視庁に話すさ、何しろ母さんのことだけじゃないんだ」
 お袋の実家の悪事はというのだ、この辺りヤクザ屋さんの元締めみたいにまでなっている訳じゃないということか。
「殺人も怪しいみたいだしな」
「殺人って」
「悪事を探ろうとした人とか。わかるだろ」
「口封じなんだ」
「昔からそうしていたみたいだしな」
「本当にブラックな家なんだね」
「ヤクザ屋さんの元締めだぞ」
 親父は僕が心の中で言ったことを言ってきた。
「だったらな」
「それ位はなんだ」
「してるさ」
「裏の世界にも関わっていたら」
「八条家は表の家だろ」
「裏には本当に関わろうとしないね」
 裏社会にはだ、このことは各国でもそうしている。
「出来るだけ」
「元々表の世界で栄えてきた家だからな」
「表の世界の繁栄を考えているんだ」
「表の世界の人間は裏に関わろうとするものじゃないんだ」
「それがいいんだね」
「そして裏の世界ってのは出来るだけな」
 親父は僕に苦い顔でこうも話した。 
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