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八条学園騒動記

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第五百六十一話 ホームルームにおいてその十二

「凄いわよ」
「成程ね」
「尾張っていったら」
 アンはさらに言った。
「甘いものはね」
「ういろうよね」
「そっちってイメージが強いけれど」
「それがね」
「喫茶店にはモーニングがあって」
「それでね」
 ナンがまた言ってきた。
「スイーツの量もね」
「多いのね」
「そうみたいよ」
「だったら」
 それならとだ、ここでアンアは目を輝かせて言った。
「ベーグルもね」
「勿論そっちもね」
「ううん、一度行ってみたいわね」
「播磨もいいけれど」
 プリシエアも言ってきた、見ればむしろアンよりも興味深そうな顔になってそのうえで言っている。
「尾張にしても他の星系もね」
「言ってみたいわよね」
「日本のね」
「日本は本当に星系によって食文化色々ね」
「それアメリカもだよ」
「中国もね」
 スターリングと蝉玉も言ってきた。
「星系によって食文化違うわよ」
「結構以上にね」
「星系が多くて人口が多いと」
 それならとだ、アンはまた言った。
「食文化も多彩なのね」
「イスラエルはどうなのかな」
 セドリックはアンに彼女の祖国のことを聞いた。
「一体」
「これがないのよ」
「ないんだ」
「だって宗教的タブーが多いから」
 このせいでというのだ。
「イスラエルはね」
「ああ、それでだね」
「そう、どうしてもね」 
「食文化にも制限受けるんだ」
「どうしてもね」
「成程ね」
「だから喫茶店も」
 このジャンルの店もというのだ。
「制限受けてるの」
「厳しいね」
「豚乳のお料理アウトだし」
「言うまでもなく」
「ビーフカレーと牛乳も」
「アウトなんだ」
「だって親子だから」
 この関係が喫茶店でも関係するというのだ。
「ぎゅうにくと牛乳が」
「ああ、ビーフカレーの中の」
「こんなのだから」
「食文化もなんだ」
「多彩じゃないのよ」
 実際にというのだ。
「これがね」
「その辺り厳しいね」
「ユダヤ教は」
 アンはさらに話した。
「禁欲イコール美徳だから」
「質素がなんだ」
「それで贅沢はね」
「敵なんだね」
「ちょっとしたことでも」
 そうしたことでもというのだ。
「贅沢と呼べないレベルでも」
「敵で」
「食文化もなのよ」
「うん、厳しいね」
「だから喫茶店も」
「色々規制あるんだ」
「そう、間違っても親子は出さない」
 その関係の組み合わせはというのだ。
「そこは絶対だから」
「他にもあるんだね」
「高価なメニューにクレーム来ることはないけれど」
「制約はあるんだ」
「そうなのよね」
「それでその中で」
「そう、ベーグルがあれば」
 アンはまたこの食べものの話をした。
「私はいいの」
「成程ね、じゃあ」
 セドリックはここで言った。
「メニューはベーグルでね」
「それがあったら」
 それでというのだ。
「私はいいわ」
「じゃあアンは喫茶店ね」
「それでいいわ」
「喫茶店で決まりか」
 ここでアルフレドが言った。
「それで」
「いや、演劇もしよう」
「二つしてもいいからか」
 アルフレドはネロの言葉に応えた。
「だからか」
「うん、それでもいいよね」
「そうだな、では次は劇の話をするか」
 出しものはまず喫茶店が決まった、それならというのだ。二年S1組の文化祭でのホームルームはまだ続くのだった。


ホームルームにおいて   完


                2020・2・24 
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