八条学園騒動記
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第五百六十一話 ホームルームにおいてその九
「抹茶アイスや抹茶ケーキもあるな」
「抹茶は普通日本だよね」
ネロがそのカムイに突っ込みを入れる。
「連合じゃ多いけれど」
「まあそう言うとな」
カムイも否定しなかった。
「そうだがな」
「日本風の喫茶店で多くて」
「日本の喫茶店でもか」
「多いけれど」
それでもというのだ。
「僕のお国でも他のお国でもね」
「一般じゃないか」
「普通の喫茶店にはそうないよ」
こうカムイに話した。
「ベトナムでもね」
「ベトナムもお茶飲むけれどな」
「お抹茶はあくまで日本のお茶だから」
それでというのだ。
「日本風、和風の喫茶店でないとね」
「そうそうないか」
「日本以外の国でもね」
「そうなんだな」
「うん、けれどアイヌでもあるんだね」
「アイヌは日系国家だからな」
だからだとだ、カムイはネロに答えた。
「だからな」
「ああ、琉球と並んでね」
「文化も日本のものが強いんだよ」
「お料理もだね」
「アイヌ料理もあるけれどな」
それでもとだ、カムイは真剣な顔で話した。
「もう和食はな」
「普通にあるんだね」
「お寿司もお鍋もラーメンも丼もな」
「全部だね」
「ラーメンは中華料理だけれどな」
「あっ、ラーメンは日本のお料理よ」
中華料理と聞いて中国人の蝉玉が突っ込みを入れた。
「あれは」
「みたいだな」
「そう、ああした麺類中国にないから」
「実は、か」
「海鮮麺とか担々麺はあっても」
「ラーメンはな」
「ないから、拉麺はあるけれど」
それでもというのだ。
「日本のラーメンとはね」
「また違うな」
「違う麺よ」
「そうだったな」
「ラーメンの元になった麺みたいだけれど」
それでもというのだ。
「また別のお料理よ」
「そうだな」
「だからアイヌのラーメンも」
これもというのだ。
「日本のお料理よ」
「そうだな」
「ええ、それで喫茶店は」
蝉玉もこちらの話をした。
「一体ね」
「どういったものにするかね」
スターリングは蝉玉のその言葉に応えた。
「問題だけれど」
「今のお話はね」
「やっぱりオーソドックス?」
「それでいくべきかしら」
「僕はそう思うけれど」
「私もね」
「そこでアメリカ風とか中華風は言わないの」
アンは二人に問うた。
「別に」
「うん、特にね」
「こだわらないわ」
二人はアンのその問いに答えた。
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