八条学園騒動記
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第五百六十一話 ホームルームにおいてその八
「だから飲みものは」
「いつも冷たいものだな」
「お酒もね」
こちらの飲みものもというのだ。
「ロックで」
「カクテルもだな」
「氷入れてるし」
「キューバらしいな」
「そう、それで紅茶もコーヒーも」
「アイスだな」
「ホットもあるけれど」
それでもというのだ。
「まああまり飲まないわね」
「だからそこがな」
「違うのね」
「そうだ」
「というかロシアと正反対ね、キューバって」
アンネットがここで話した。
「どうも」
「ああ、星の状況が」
「こっちは寒い星ばかりなのにね」
「だから我が国にロシアからの観光客多いのね」
「もうロシア人にとって暖かい場所は憧れなのよ」
「寒い星ばかりだから」
「そう、もっと言えば暑い場所は」
暖かい以上にというのだ。
「憧れの中の憧れよ」
「そうなのね」
「そう、だからキューバ旅行も人気があるし他のリゾート地もね」
「人気があるの」
「もう連合中のリゾート地への旅行って」
観光旅行、それはというと。
「ロシア人の楽しみなのよ」
「だからキューバにも沢山来てくれるのね」
「ええ、これ二十世紀からで」
人類が地球にあった頃からだというのだ。
「ずっとね」
「リゾート地への観光旅行が人気があったの」
「それでソ連時代なんか」
この頃はというと。
「あんたのお国への観光旅行がね」
「人気だったの」
「市民、その頃は人民っていったけれど」
共産主義国家では市民ではなくこの呼び方となる、これもまた共産主義国家の特徴の一つであったのだ。
「人民への最高のご褒美だったのよ」
「そうだったのね」
「とにかくね、ロシアは寒いから」
これに尽きるというのだ。
「リゾート地への旅行は大人気なのよ」
「ロシアの旅行は」
「もうロシアの国外旅行は」
連合の中のそれはというと。
「その殆どがリゾート地に行くの」
「そこまでなの」
「それで暑いビートで泳いで日光浴をして」
そしてというのだ。
「その冷たい紅茶もね」
「飲むのね」
「これが楽しみよ、ただね」
「ただ?」
「私もキューバの喫茶店はキューバの喫茶店で」
あくまでそうしたものだというのだ。
「連合の普通のものかっていうと」
「違うのね」
「そう思うわ」
実際にというのだ。
「このことはね」
「そうなのね」
「まあロシアのケーキも他の国のケーキと違うけれど」
アンネットはどうしてもこのことが気になった、それで言うのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「喫茶店はやっぱり標準はホットティーとかホットコーヒーが出るものよ」
「それでだな」
今度はカムイが言ってきた。
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