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八条学園騒動記

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第五百六十一話 ホームルームにおいてその六

「というか四つも合ったら本当にいいでしょ」
「そうかな」
「というかカナダって有名な国じゃない」
「地味でもっていうんだ」
「人口も百五十億って連合じゃ多い方よ」
 三百以上ある国々の中ではというのだ。
「決してね」
「項垂れる必要はないっていうんだ」
「そうよ、それにメイプルシロップ美味しいし」
 ルビーはこれをよしとした。
「喫茶店には本当にパンケーキ欠かせないから」
「それでメイプルシロップもだね」
「欠かせないから」
 パンケーキと共にというのだ。
「だからね」
「今回もだね」
「喫茶店やるなら」
「欠かせないんだ」
「そう思うわ、私も」
「それじゃあ」
「ちなみに私ノーマルの喫茶店ね」
 ルビーは自分の考えも話した。
「それでいいと思うわ」
「そっちなんだ」
「ええ、オーソドックスこそでしょ」
「一番だね」
「ただ、トロピカル風味は」
 これはというと。
「多めにでもいいじゃないの?」
「というと果物多くて」
「カラフルでね」
 そうした感じでというのだ。
「いいでしょ」
「そうなんだ」
「まあそれでオーソドックスで」
「いくといいっていうんだね」
「強い日差しの中で」
 ルビーは笑ってさらに言った。
「それでお外でフルーツたっぷりのトロピカルジュースを飲むのよ」
「それがオーソドックスなんだ」
「ええ、いいでしょ」
「いや、それって」
 トムはルビーの話をここまで聞いて彼女に返した。
「オーソドックスじゃないよ」
「そうなの?」
「それあれじゃない」
「あれっていうと」
「熱帯の海に面した」
 トムはさらに話した。
「そうしたお店じゃない」
「そうだけれど」
 ルビーも否定しなかった。
「オーソドックスに」
「いや、それキューバのお店だよね」
 トムは冷静に返した。
「そうだよね」
「それがどうかしたの?」
「いや、キューバは」
 ルビーの国はとだ、トムはルビーに話した。
「普通に熱帯の面積が多い星ばかりだよね」
「ええ、海とね」
「ジャングルも多いけれど」
「居住地域はやっぱりね」
「海沿いが多いよね」
「私も海沿いに観光地で生まれ育ってるし」
 この時代もキューバは観光を重要な産業にしている、常夏のビーチは連合中でも人気の的であるのだ。
「そこの喫茶店がね」
「そんなのなんだ」
「そう、もうトロピカルで」
「それあまりオーソドックスじゃないから」
 トムは笑って話すルビーに真面目な顔で答えた。
「南国風のね」
「それだっていうの」
「うん、キューバの喫茶店だよ」
「だから違うの」
「ちょっとね」
 こう言うのだった。 
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