八条学園騒動記
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第五百六十一話 ホームルームにおいてその三
「ここはメイド喫茶にしようか、ツーショットありの」
「私達がメイドさんになってなの」
「うん、それでね」
ジョルジュはナンシーに笑顔で話した。
「女の子がメイドさんでね」
「それであんた達男の子は?」
「執事さんになって」
「メイド執事喫茶なの」
「これはどうかな」
「絶対に他のクラスやるっていうかもうメイド部と執事部がやるから」
ナンシーはジョルジュに部活のことから話した、この流れは先程の推理喫茶のそれと同じであった。
「だからね」
「被るから」
「そう、もうメイドさんや執事さんは」
「部活の方がだね」
「いつもやってるから」
それでというのだ。
「あっちの方が凄いわよ」
「絶対にそうだね」
「そう、こっちもね」
メイドや執事もというのだ。
「止めた方がいいわ」
「そうなるんだね」
「ええ、これもね」
「そういえばうちの学園クラスでメイド喫茶とか執事喫茶しないね」
今度はネロが言ってきた。
「そうした事情だね」
「部活には勝てないわよ」
ナンシーはジョルジュにも話した。
「やっぱりね」
「それじゃあ」
「そういうのもね」
「止めた方がいいね」
「そう、だから私はね」
ナンシーはここで自分の考えを出した。
「もう古典的にね」
「古典的に?」
「コーヒー専門店でね」
それでというのだ。
「いけばいいってね」
「思ってるんだ」
「いいでしょ、色々なお豆を用意して」
ナンシーはドヤ顔で語った。
「そうしてね」
「ああ、それでね」
「もう趣味みたいに」
「うん、いいけれど」
ジョルジュはドヤ顔のナンシ―にこう返した。
「豆を揃えたらお金かかるよ」
「それね」
「うん、いいアイディアだと思うけれど」
それでもというのだ。
「問題はね」
「お金ね」
「何しろ文化祭でやるから」
「学生のイベントだと」
「お金は限られてるよ」
「それもそうね」
ナンシ―は腕を組んでそうして考える顔になってジョルジュに応えた、そうして彼に対して言った。
「じゃあね」
「インスタントならともかく」
こちらのコーヒーはいいがというのだ。
「けれどね」
「豆のコーヒーともなると」
「そう、お金がかかるよ」
「インスタントコーヒーは安いけれど」
それでもというのだ。
「お豆になるとそうもいかないから」
「そこが問題ね」
「そうだよ、あとね」
「あと?」
「これは紅茶でも同じだよ」
こちらもといのだ、コーヒーと並ぶ喫茶店の飲みものの代名詞である。
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