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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十六話 秋田へその十四

「それではですね」
「明日の四時半に」
「わかりました」
 僕もこう答えた。
「自分から起きます」
「そうされますか」
「出来るだけ、ただ」
「はい、私はそれでもです」
「四時半にですね」
「こちらにお伺いさせて頂きます」
 こう僕に話してくれた。
「明日はそうした日なので」
「親父にとって宿題をする日ですね」
「まさに、運命の」
「そうした日だからこそ」
「そして義和様にとっても」
「僕にもですか」
「お察しだと思いますが」
 それでもとだ、僕に話してくれた。
「そのことも」
「秋田で親父となると」
「はい、ただ」
「今はですね」
「言葉に出されるよりも」
「静かにしていて」
「そのうえで、です」
 それでとだ、僕に話してくれた。
「いらして下さい、今は言葉に出されるよりも」
「その時を迎えるべきですね」
「そうした時かと、ですから」
「言葉に出さず」
「時を迎えられて下さい」
「わかりました」
 僕は畑中さんのその言葉に頷いた、そうして。
 この日は寝た、夜は静かにその帳で世界を包んでいた。けれど運命の歯車はその中で動き続けていた。


第二百六十六話   完


                2020・1・1
 
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