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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十七話 秋田へその一

               第二百六十七話  秋田へ
 目覚まし時計のアラームが鳴った、僕はその音と共に起きてすぐに私服に着替えた。するとだった。
 扉をノックする音がしてだった、畑中さんの声が聞いてきた。
「お目覚めでしょうか」
「はい」
 僕は畑中さんにすぐに答えた。
「今着替え終わりました」
「左様ですか、では」
「今からですね」
「参りますか」
「はい、今すぐにですね」
「もう正門のところにお車を用意しています」
「車で、ですか」
「八条家のお屋敷にお邪魔します」
「八条家の」
「そこにヘリコプターを用意していますので」
「ヘリコプターに乗って」
「関西新空港に向かいます」
「もうすぐにですね」
「そして六時に」
 その時にというのだ。
「止様と合流して」
「秋田にですね」
「向かいます、家内ももう用意は出来ています」
 畑中さんの奥さん、薙刀等の達人のあの人もというのだ。
「そしてお屋敷には他の当家の腕利きの方々が」
「待っておられますか」
「左様です、ですから」
 それでというのだ。
「今すぐにです」
「この八条荘を出て」
「向かいましょう」
「わかりました、ただ」
「ただ、とは」
「今日僕学校は風邪ということになっていまして」
 僕は扉を開けて畑中さんと合流した、ここでおはようございますと朝の挨拶をお互いにして二人で八条荘の中を皆まだ寝ている時間なので音を立てない様にそろりそろりと歩きながらそのうえで話をした。
「休みますが」
「義和様は今日はお部屋から出られないです」
「面会謝絶ですね」
「そうなっています」
「そうですか」
「小野さんにその様にお話していますので」
 だからだというのだ。
「八条荘の方々にはです」
「それでいけますか」
「はい、義和様はインフルエンザになられました」
「だから面会謝絶ですね」
「暫くはどなたもお会い出来ないです」
「事実はどうであれ」
「インフルエンザなので」
 この感染症に罹ってしまったからだというのだ。
「残念ですが」
「誰もですね」
「お会い出来ず小野さんだけが」 
 僕にとって実に都合のいいことにだ。
「マスクをされて」
「会えますね」
「そして私と家内もです」
「インフルエンザはですか」
「そういうことにするということで」
「お話は大丈夫ですか」
「事実はどうであれ」
 それが実は偽りで僕達は秋田に行っていてもだ。
「いいのです」
「誰も会えないならですね」
「左様です、既に扉に鍵もかけましたし」
「中からかける鍵ですが」
「マスターキーでロックをかけました」
 この鍵だけは外側からも出来る様になっている、八条荘の執事の畑中さんと管理人の僕だけが持っているものだ。
「ですから」
「もう僕は面会謝絶ですね」
「そうなっています、では」
「今からですね」
「参りましょう」
 僕達は八条荘の扉の前に来た、そこには畑中さんの奥さんも待っていてくれていて。
 僕は奥さんとも挨拶をした、そのうえで。 
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