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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十六話 秋田へその四

「俺はな」
「ちゃんとだね」
「ああ、戦うさ」
「そうするんだね」
「前に向かう、相手を殴れなくても」
 特に女の人はだ、親父は女の人に暴力を振るうことは屑の行いだと言っている。自分より力や地位のない人に対してもだ。
「戦えるんだよ」
「そうだよね」
「だからな」 
 それでというのだ。
「俺は戦うしな」
「それにだね」
「戦ってな」
 そしてというのだ。
「目的を果たすな」
「そうするんだね」
「一つ言っておくな、お前に」
 僕にこうも言ってきた。
「人間拳も武器もなくてもな」
「戦えるんだね」
「ああ、頭があるだろ」
 まずはこれがあるというのだ。
「そしてな」
「それにだね」
「他にもあるさ、俺は今回そういったものを使ってな」 
 そのうえでというのだ。
「戦うからな、お前はそれを見てくれ」
「銃を使う様な相手でもだね」
「それがヤクザ屋さんでもな」 
 暴力、それを前面に出す相手でもだ。
「やってやるさ」
「畑中さん達もいてくれてるし」
「そうだよ、一人じゃないしな」
「そのこともあるね」
「しかもお前もいるしな」
「僕も?」
 この言葉は予想もしていなかった、それで僕は携帯の向こうの親父に対して思わず問い返した。そうせずにいられなかった。
「僕何も出来ないよ」
「だから言っただろ」
「戦いはっていうんだ」
「格闘だけじゃないんだよ」
「頭もないよ」
 正直こちらも自信がなかった。
「そんな格闘での軍師役とか」
「そういうのもだな」
「出来ないよ、僕もね」
 それこそだ。
「暴力とかと無縁だから」
「お前喧嘩も殆どしたことないしな」
「そういうの好きじゃないし」
 そもそもだ。
「友達とも親戚ともね」
「ああ、やっぱり揉めないで済んだらな」
「それでいいよね」
「それでベストだよ、奇麗ごとで済んだらな」
 親父は僕におうも話してくれた。
「それでいいしな」
「そうしたものだよね」
「本当にな、世の中ってのはな」
「奇麗ごとで済んだら」
「それでいいんだよ、喧嘩とか暴力はな」
 こちらはというと。
「もうな」
「ない方がいいね」
「俺はそうさ、暴力で解決出来ることはな」
「ないっていうね」
「武力はあってもな」
 暴力、この力ではというのだ。
「そっちの力では何も解決出来ないさ」
「武力と暴力は違うね」
「ああ、武力は言うなら軍隊とか警察だよ」
 こうした組織のものだというのだ。
「何処かの馬鹿な政治家が自衛隊を暴力装置と言ったけれどな」
「それ違うよね」
「全くな、自衛隊や警察の力は武力だよ」 
 あくまでこちらだというのだ。 
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