八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六十六話 秋田へその三
ガードマンの人は武道や格闘技の達人の人ばかりで中には銃火器を使える人もいる、その人達まで来てくれるとなると。
僕は真剣な顔で親父に返した。
「そこは気をつけるよ」
「それじゃあな」
「というか本当にね」
「わかっても今は言うなよ」
「うん、今はね」
「頭の中に入れておけ」
「銃まで使うことは」
僕はまた言った。
「頭に入れて」
「そして来いよ」
「うん、ただね」
「ああ、銃を使う事態か」
「日本でそれはね」
銃刀法違反があるこの国はだ。
「何というか」
「それはな、やっぱりな」
「相手がなんだ」
「はっきり言うな、ヤクザ屋さんともな」
僕の予想通りの返事だった。
「付き合いあるっていうかな」
「それどころじゃないんだ」
「その親玉だよ」
「ヤクザ屋さんの」
「かなり減ったさ」
暴力団新法や市民の活動そして社会の暗部に光が当てられる様になって確かにそうした組織がなくなってきている、これはいいことだ。
「けれどな」
「それでもだよね」
「完全にはなくならないだろ」
「ヤクザ屋さんはね」
「どうしてもな」
「何時でも何処でもいるよね」
「こっちでもそうだしな」
イタリアでもというのだ、親父が今いる国でもだ。
「というかこっちはな」
「日本の比じゃないよね」
「マフィアあるからな」
「シチリアのね」
「ナポリにはカモラがあってな」
名前は違うし別ルーツであるけれどやっていることは同じだ。
「もうイタリアの南の方はな」
「無視出来ない力があるね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「洒落になってないんだよ」
「シチリアとかナポリとか有名だね」
「ああ、それでな」
「そうした人達は何処でもいるね」
「何時でもな、それでな」
「秋田にもなんだ」
「いてな」
そしてというのだ。
「秋田のヤクザ屋さんの元締めみたいな相手でな」
「拳銃もなんだ」
「持ってるんだよ、だからだ」
「拳銃も持って行くんだ」
「ちなみに俺は拳銃使えないからな」
親父は自分の話もした。
「そもそも喧嘩自体な」
「親父出来ないよね」
「暴力反対なんだよ」
何といってもという言葉だった。
「俺はな」
「そうだったね、親父は」
「だからな」
それでというのだ。
「実は格闘はしないからな」
「だから畑中さんもなんだ」
「ああ、拳銃も刀も使えなくてもな」
親父はメスは使う、しかしだ。
こうしたものとは全く無縁だ、とにかくそうしたことについては縁がない。けれどそれでもなのだ。
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