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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十六話 秋田へその二

「もう一つあるぜ」
「もう一つ?」
「俺は関西新空港からな」 
 関西第一の国際空港であるここからだというのだ。
「秋田に行くからな」
「まさかと思うけれど」
「今は内緒だよ、そこでもう準備は全部整ってるからな」
 だからだというのだ。
「一気にそこからヘリで秋田に行くぜ」
「新空港から秋田まで」
「ああ、お前も来い」
「学校も休んで」
「明日一日で終わるさ」
 秋田でのことはというのだ。
「だからな」
「一日休めっていうんだ」
「ああ、明日だけはな」
「強引に決めたね」
「もう総帥さんは事情わかってるしな」
 八条家つまり学園も運営している一族の頂点にいる人もというのだ。
「だからな」
「それでなんだ」
「ああ、休む理由は交通事故にしとけ」
「それ一日休むどころじゃ済まないよね」
 事故の状況によるけれどだ。
「交通事故だと」
「ダンプに跳ねられてな」
「普通に死ぬから」
「じゃあ風邪にしとけ」
「最初からそれ出せばいいじゃない」
「交通事故は冗談だよ」
「下手な冗談だね」
 親父の冗談は正直あまりセンスがないと思う、けれどそれはそれで持ち味に思えるから不思議なことだ。
「本当に」
「それは何よりだな」
「もっと勉強したら?」
「八条芸能のお笑いの人達から学ぶべきか」
「最近関西のお笑いは駄目だっていうけれど」
 若い漫才師の人達が特にだろうか、正直バラエティ番組ばかり出ていてもそれで芸が磨けるかどうか不安だ。
「八条芸能は違うからね」
「お笑い部門もな」
「しっかりしてるから」
 ちゃんと芸を磨く様にしているからだ。
「だからね」
「よし、じゃあちょっと勉強するぜ」
「そっちはそれでね、それでね」
 僕はさらに話した。
「明日はだね」
「うん、風邪をひいたんだね」
「三十八度の熱だ」
 親父は設定まで入れてきた。
「いいな、明日お前は八条荘でだ」
「寝てるんだね」
「風邪薬飲んでな」
 そのうえでというのだ。
「寝てるんだよ」
「わかったよ、それでだね」
「関西新空港まで来い」
 風邪をひいていてというのだ。
「畑中さんとな、奥さんもいてくれて」
「奥さんまでなんだ」
「あと家の腕利きも勢揃いだよ」
「大掛かりだね」
「少数精鋭だけれどな」
 それでもというのだ。
「腕利きの中の腕利きがな」
「集まってくれたんだ」
「ああ、だからな」 
 それでというのだ。
「絶対に大丈夫だ、ただな」
「ただ?」
「一応だが銃も持っていくからな」
「銃まで」
「ああ、持てる人はな」
 その資格を持っている人はというのだ。
「だから注意しろよ」
「銃もまでなんて」
「だからお前も用心しろよ」
「わかったよ」
 これはかなり大きなことだと思った、八条家は世界的な企業グループでそれだけに色々なトラブルに巻き込まれることもある、それでだ。 
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