八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六十五話 冬の嵐の前その十六
「あそこは最高よ」
「それも博多だよ」
「ラーメン出たわよね」
「もう一巻で出たよ」
この漫画も百巻以上続いているけれど平和だ、作者さんの人柄も出て凄く馴染める作品だ。主人公の奥さんは新聞記者だけれどあの漫画の主人公達とは全く違う凄くいい人だ。
「それこそね」
「もう博多はね」
「まずはラーメンだよね」
「あの豚骨スープで細い麺がいいのよ」
「屋台でもあるしね」
「あの美味しさは」
詩織さんは僕に目を輝かせて話してくれた。
「他になかとよ」
「あっ、方言出たよ」
「ちょっとラーメンのお話したら」
「出たよ」
「ついね。普段はね」
「あっちの方言出ないよね」
「そうだけれど」
それでもとだ、詩織さんは僕に話してくれた。
「ついついね」
「出る時もあるんだ」
「気持ちが昂ったら」
その時はというのだ。
「出るのよ」
「そうなんだ」
「私ラーメンも好きだし」
僕に笑って話してくれた。
「それで特にね」
「博多ラーメンが好きで」
「それでね」
「博多ラーメンのお話をしたら」
「ついついね」
「感情が昂って」
「そのうえでね」
それでというのだ。
「出たの」
「そうなんだね」
「ええ、機会があったら戻って」
「食べたいんだね」
「こっちでも豚骨で細い麺のラーメン食べられるけれど」
「食堂でもあるしね」
「本格的でいいと思うわ、けれどね」
同じラーメンでもというのだ。
「やっぱり味が違うのよ」
「博多のラーメンとは」
「どうしてもね」
「そうなんだね」
「美味しくても」
八条学園の食堂の豚骨ラーメンもというのだ、それは明らかに博多ラーメンを意識しているものだ。
「それでもね」
「味が違うんだね」
「どうもね、だからね」
「福岡に戻ったら」
「絶対に博多に行って」
そしてというのだ。
「行くつもりよ」
「そうしたいんだね」
「だから義和も博多に行ったら」
「何度か行ったことあるよ」
「じゃあ食べたことあるわね」
「あるよ、けれどだね」
「また行く時があったら」
その時はというのだ。
「是非食べてね」
「そうさせてもらうよ」
「食べて損ないから」
「そうだよね」
「福岡もいいところだしね」
「そうだね、大宰府もあるしね」
「明太子に鶏肉におうどんもあるから。ただね」
詩織さんはここでこんなことも言った。
「森鴎外もいたことあるけれど」
「軍医として赴任してたんだったね」
「この人は無視していいから」
森鴎外のことはというのだ。
「別にね」
「何か若くして栄達したエリートで翻訳とか小説とかでも凄い実績があるとか言う人いるよね」
「東大医学部で抜群の成績でドイツ留学もして」
「そこでも優秀で有名とかだよね」
「もうそれでチートとか言う文学女子の人もいるけれど」
「あの人はね」
この学校では文学者、小説家として以外のことも言われていてだ。
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