八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六十五話 冬の嵐の前その十四
「それじゃあね」
「お金がなくなって」
「潰れるよ」
「そうなるのね」
「それも問題だよ」
生徒の九割が卒業までに退学する無茶苦茶なシステムと同じくだ、そもそもこの学園は学費はどうなっているのだろうか。普通学校は生徒からの学費がかなりの収入源だけれど九割も退学にしてそれが賄えるのだろうか。
「本当に少年漫画だね」
「その滅茶苦茶な設定よね」
「有り得ないから」
もう絶対にだ」
「一言で言えば」
「そんなお話よね」
「うん、どう考えてもね」
このことはだ。
「おかしいけれどその設定さえも活かしてるから」
「面白かったのね」
「僕が話した漫画とは違うよ」
この漫画と比べるとその食戟の漫画はだ。
「月とスッポン位違うよ、いや」
「いや?」
「スッポンは美味しいから」
そして栄養がある、何よりも命ある貴重な存在だ。
「月と汚物だね」
「そこまで違うのね」
「面白さが違うし害にもなるし」
僕が話したその漫画はだ。
「だったらね」
「月と汚物なのね」
「読んでいても面白くないし」
正直不快になるだけだ、外国人を雇わないという会社社長にいきなり理由も聞かないでケダモノと罵倒して美味しいものを出して許される、そんな筈がない。これは立派な名誉棄損でこの主人公の人間性がよく出ている。自分と考えが違う相手にはその理由も聞かないでいきなり罵倒するとか品性も人間性も下劣過ぎるし知性も教養も全く感じない。これを特権を持ったゴロツキと言わずして何と言うのか。
「頭が悪くなるから」
「まあ食戟の方はね」
「トンデモ設定ではあっても」
「すぐに服脱げてね」
「突っ込みどころは多くても」
そのことは間違いなくてもだ。
「害にはならないから」
「むしろ友情、努力、勝利で」
「子供の教育にもなるからね」
「努力よね」
「人間努力しないとね」
何といってもだ。
「目的も達成出来ないしね」
「得られるものもないわね」
「お店で自分の好みじゃないから喚く主人公なんか」
もうそれこそだ。
「子供が真似したら大変だよ」
「子供の教育にも悪いわね」
「知り合いの刑事さんの力使う時もあるし」
即ち国家権力まで引き出すのだ、反権力の筈なのに。
「あれだけ子供の影響に悪い漫画ないから」
「読むべきじゃないわね」
「カレーもハヤシライスも」
僕達がまだ食べているそういったものもだ、もっとも二人共遂にあと一口か二口のところまで至った。
「食戟だったらいいけれど」
「その漫画だと」
「変な思想やら下劣な品性やらが入るから」
このことがどうしようもなく大きくてだ。
「読むとね」
「駄目ってことね」
「うん、漫画じゃなくてね」
一応絵と台詞はあるけれどだ。
「何かの政治プロパガンダだから」
「勧善懲悪でもないのね」
「少年雑誌のね、むしろ悪人がね」
国家権力よりも強くてしかも遥かに腐敗しているマスメディアの権力を思う存分悪用している、これこそ悪人ではないのか。
「のさばっていて善人の顔をしている」
「つくづく酷い漫画ね」
「そんな漫画が単行本百巻以上出てることも凄いけれど」
サザエさん以上だ、サザエさんは面白いけれどこの漫画に面白い部分はあるのかと心の底から問いたい。
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