八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百六十五話 冬の嵐の前その十二
「いい影響を受けるけれど」
「その漫画はなのね」
「間違っても口に合わないからって」
そのお料理がだ。
「お店で喚き散らすとかね」
「化学調味料使うなとか」
「完全に営業妨害だから」
それも上に威力とつく暴力的なだ。
「あんなの子供が真似したら」
「よくないわね」
「ヤクザ屋さんの行いだから」
まあ日本の新聞記者の品性がヤクザ屋さんレベルと言えば妥当かも知れないけれどだ。
「したら駄目だよ、父親に至っては食べもの投げるし」
「ちゃぶ台ひっくり返すのと同じね」
「あの父親も原作じゃそれしてないよ」
あまりにも有名なちゃぶ台返しはだ。
「どっちにしても食べもの食べる資格ないよ」
「そんなお話よね」
「これはね、しかし」
僕は詩織さんにさらに話した。
「昔から続いていて漫画の中で日本の経済侵略とかアジア再侵略とか」
「そんなことも言ってたの」
「はっきり言ってたから」
もう作中で登場人物が言っていた。
「それだけでどんな漫画かわかるよね」
「おかし過ぎるわね」
「だからもう読んだらね」
「悪影響しか受けないのね」
「そうした漫画ってわかっていないと」
それこそだ。
「駄目なね」
「そんな漫画ということね」
「そうだよ、本当にこんな漫画より」
正直吉本隆明の本とかドラゴンの四兄弟が好き勝手するライトノベルより読む価値というか手に取ろうとするその手を動かす時間すら無駄なレベルに思うからだ。
「食戟の方がね」
「ずっと読んでいいわね」
「アニメも最高に面白かったし」
「設定はともかくとして」
「逆にそのぶっ飛んだ設定をね」
生徒の九割が退学になる様な何処かの一子相伝の暗殺拳のそれの乗りみたいな大概なものであってもだ。
「活かしてたし」
「そういえばそうだったわね」
「そうだったよね、あの漫画は」
「現実じゃ絶対に出来ないことだけれど」
生徒の九割が退学とか何度考えても有り得ない、悪事を行ったのではなく作った料理が不合格でそれとかはだ。
「理事長がどんな実力者でもね」
「財界の大物とかでも」
「政界にも影響があってもね」
例え日本のドンとか言われる人でもだ、今時そんな人もいないと思うことはとりあえず今は詩織さんには言わなかった。
「流石にね」
「無理よね」
「八条グループでも」
世界屈指の企業グループでもだ。
「流石にね」
「そんな学校は運営出来ないわね」
「総帥さんも一族の誰もそんな学校考えないし」
あの一族きっての破天荒人間の親父でもだ。
「その時点でないし」
「実際にやることは」
「絶対に文部科学省からクレーム来るから」
そして世論からは袋叩き間違いなしだ。
「出来ないよ」
「それが普通よね」
「うん、ただあの漫画を読んでると」
これまた少年漫画だけにだ、しかも週刊誌だとその傾向が強い。
「最初の理事長さんもね」
「いつも着物の」
「あの人に意見するとか」
それこそだ。
「某ロボットアニメの総帥さんへの意見位にね」
「難しいわね」
「言える人いたら凄いよ」
どちらの人にもだ、そういえばこの二人は似ている気がするけれどそれはどうしてなのだろうか。そっくりにさえ思える。
ページ上へ戻る