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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十五話 冬の嵐の前その十

「後退するよ」
「そうよね」
「電子レンジを否定もしてたし」
「電子レンジがないとね」
「温かいものもね」 
 これもだ。
「食べられないし」
「そうよね」
「あんなものを読んでいたら」
 それこそだ。
「頭が悪くなるだけだよ」
「それでその漫画今どうなってるの?」
「事実上終わってるよ」
 詩織さんにはっきりとした口調で答えた。
「問題起こしてね」
「それでなのね」
「原発がどうとかって描いて」
 料理漫画なのにだ。
「福島の風評被害助長させるみたいなことして」
「それは酷いわね」
「何か毎朝被爆して鼻血出るとかいう人出して」
 元町長さんだったらしいけれどだ。
「主人公も被爆してね」
「鼻血出したのね」
「若し鼻血出す位被爆していたら」
 原作者の人もそうらしいけれどだ。
「命の危険あるから」
「すぐに病院行った方がいいわね」
「福島県の人なんて大変だよ」
 そうなっている筈だ、けれどこの学園にいる福島県から来ている子にそんな子は一人もいない。これが事実だ。
「そんなお話描いて単行本でも爆発した原発表紙に出して」
「ほぼ終わったのね」
「以後連載してないから」
「そうなったのね」
「まあ読んで悪影響受ける方が遥かに多い漫画だし」
 本当にそんな漫画だから凄い。
「読まない方がいいね、絶対にね」
「何かそうした漫画あるっていうことも凄いわね」
「詩織さんも知ってる漫画じゃないかな」
「私が読まない漫画も多いし」
「グルメ漫画読むよね」
「食戟の好きよ」
「ああ、そっちなんだ」
 どの漫画か僕はすぐにわかった、アニメにもなっている人気作だった。
「少年漫画でね」
「そんな学校ないでしょって思うけれどね」
「生徒の九割が退学とかね」
「普通に有り得ないでしょ」
「週刊少年漫画だから」
 そして雑誌が雑誌だ、もう昔からトンデモ設定にいライブ感覚というか行き当たりばったりの展開の漫画が多い。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、そうした設定はね」
「現実はないわね」
「批判が出るから」
 例え私立の学校でもだ。
「それにまともな人ならね」
「九割も退学にするとか」
「しないから」
 それこそだ。
「最初から少数精鋭でいくとかにするから」
「そっちの方がいいわね」
「うん、昔そんな学校もあったし」
「そうなの」
「武道専門学校ってあって」
 戦争前にあった学校だ、剣道と柔道そして女性の薙刀の学校だった。
「各学科二十人ずつの学校だったんだ」
「それは少ないわね」
「入るのが海軍兵学校より難しかったらしいよ」
「東大より難しかったっていう」
「兵学校よりもね」
 東大当時の東京帝国大学よりも海軍兵学校や陸軍士官学校は難関だった、そして入ってからも厳しかったのだ。 
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