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夢幻水滸伝

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第百二十九話 琉球入りその四

「酒もやが」
「お水よりもね」
「お茶やな」
「そうや、僕はな」 
 言いつつだ、郭は今も茶を飲む。そうして桃饅頭を手に取って魯に話した。
「お茶大好きやさかい」
「それでやね」
「お茶を飲んで」
 そしてというのだ。
「桃饅頭を食べて」
「そのうえでやな」
「麻雀を楽しむ」 
「それがええな」
「まあお菓子は程々にして」
 今魯が言った通りにというのだ、そう言いつつ郭は饅頭を一口食べてからそのうえでまた茶を飲んだ。
 そうしてだった、また言うのだった。
「お茶をどんどん飲んで後は」
「麻雀もやな」
「それもな」
 まさにというのだ。
「楽しもうな」
「自分が言った通りに」
「やっぱり麻雀はいいものだよ」
 にこにことしつつだ、郭は茶を飲みつつ話した。
「気持ちがほぐれるよ」
「そやな、ただな」
「ただっていうと」
「自分目は笑ってるけどな」
 魯は郭のその顔を笑って見つつ述べた。
「ギラギラと光ってるで」
「そうかな」
「狙ってるな」
 麻雀、それにおいてというのだ。
「何か」
「どうかな」
「いやいや、狙ってる目や」
 まさにとだ、魯は言うのだった。
「それは」
「言わないと駄目かな」
「言わんでええわ、目は口程にものを言うからな」
 それでというのだ。
「わかるわ」
「そうなんだ」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「おいらも負けてへんからな」
 魯は魯で自分の卓を見つつ話した。
「こと麻雀においてはな」
「誰にもだね」
「負けへんからな」
 こう郭に言うのだった。
「絶対に」
「強気だね、けれどね」
「自分もやな」
「負けるつもりはないからね」
 絶対に、という言葉だった。
「その勝負受けるよ」
「いやいや、それはどうでしょうか」
 茅が正対する二人に自分の席から言ってきた。
「おら様がいますよ」
「おらも」
 金も笑って言ってきた、
「麻雀は四人でするものですさかい」
「わかりませんで」
「そうなんだよね、これが」
 郭も否定せずに帰した。
「麻雀は」
「そうですさかい」
「勝たせてもらいますわ」
「何も賭けてなくても麻雀をしてると勝とうと思う」
 まさにとだ、魯は今も笑っていた。だがその目は見れば郭のそれと同じく笑っていてもギラギラとしている。
「それが麻雀やな」
「ほんまにそうだよね」
 郭は魯の今の言葉に笑って打った、結局この卓で勝ったのは茅で郭も魯も金も歯噛みすることになった。
 麻雀をしていたのは四人だけでなく花華と美蓮もだった。二人は緑麗と紅美を交えて四人で卓を打っていた。
 その中で花華はこんなことを言った。 
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