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夢幻水滸伝

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第百二十九話 琉球入りその一

                第百二十九話  琉球入り
 崑崙は中国の大軍と二十二人の星の者達それに多くの物資を乗せてそのうえで日本の領土である琉球に向かっていた。
 その崑崙の楼閣の中で郭は魯に言った。
「緊張してる?」
「かなりな」
 魯は郭に少し苦笑いで答えた。
「してるわ」
「そうなんだね、君も」
「ああ、けどな」
「それでもやね」
「おいらもわかってるわ」
 魯自身もというのだ。
「緊張してもな」
「そうなんだよね、今緊張してもね」
「あかんわ」
「それにだよね」
「緊張し過ぎても」
 それでもと言うのだった。
「あかんわ」
「そうそう、今はあえてね」
「気持ちをほぐして」
「そうしていくべきだよ」
「戦はまだやしな」
「君は緊張する気質だね」
「そう言われるとな」
 否定せずにだった、魯は答えた。
「実際にな」
「それじゃあね」
「それじゃあ?」
「お茶を飲んで」
 そしてと言うのだった。
「札でもして遊ぶ?」
「札かいな」
「それか麻雀か」
「麻雀は二人でやるもんちゃうやろ」
「そやから二人を」
 まさにと言うのだった。
「呼んで」
「それでかいな」
「遊んでね」
 麻雀をして、というのだ。
「楽しんでね」
「緊張ほぐすか」
「そうしない?」
「そやな」
 魯は郭の言葉に頷いた、そうしてだった。
 懐から麻雀の卓を出した、そのうえで郭に言った。
「後はな」
「二人をだね」
「呼ぼうか」
「今から金君と茅君呼ぶね」
「早速やな」
「うん、呼ぶね」
「二人共ここに来るか?」
 郭が呼ぶという二人のことについて魯は問うた。
「呼ぶって言っても」
「来るよ、絶対に」
「絶対にかいな」
「うん、だってね」
 郭は魯の問いに笑って答えた。
「僕の勘がね」
「そう教えてるんやな」
「そうだよ」
「自分は頭もええが」
 魯は郭の白兎のその顔を見つつ話した、郭の毛の色は白なのだ。
「勘もええからな」
「神通力かな」
「仙人のやな」
「それがあるせいかね」
「勘もええか」
「そうみたいだよ」
 郭は魯ににこりと笑って話した。
「僕の職業は仙人でね」
「仙人は術を使えてな」
「しかも神通力も備えるから」
 それでというのだ。 
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