八条学園騒動記
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第五百五十七話 昔ながらのラーメンその八
「お話聞いてたら」
「その時後悔したから」
「お店に入ったことに」
「ええ、心の奥底からね」
「それで二度と行ってないのね」
「前を通ることはあるけれど」
親戚に家に行った時にというのだ。
「けれどね」
「二度と行かないって決めて」
「実際にね」
「行ってないのね」
「韓国でも注文した麺類で最初からのびてたら駄目でしょ」
「正直論外ね」
春香は即座に答えた。
「あと冷えていてもね」
「駄目なのね」
「韓国料理は大抵煮るか焼くかでね」
つまり熱するというのだ。
「もう思いきり熱いものだから」
「それで冷えていたら」
「問題外よ」
「そうなのね」
「それに辛くないと」
この要素もあるというのだ。
「まあ辛くない韓国料理もあるけれどね」
「あるのね」
「あるにはね、ただね」
「大抵は辛いのね」
「赤が基本ね」
色はというのだ。
「唐辛子の色によるけれど」
「赤唐辛子だと赤で」
「思いきり辛い赤唐辛子を使うのよ」
「それで思い切り赤くて辛いのね」
「そう、けれど青も碧も黒も黄色も白も紫もね」
色は様々だった。
「あるわよ」
「けれど唐辛子は使うのね」
「それで大蒜もね」
こちらもというのだ。
「ふんだんに使うのよ」
「吸血鬼の種類によっては逃げる様な」
「連合の吸血鬼って大抵大蒜効かないわよね」
「キョンシーとかね」
中国の吸血鬼である、このことは連合中で知られていることだ。
「あれってドラキュラ伯爵とかだけよね」
「そうそう、あと日光に弱い吸血鬼も」
これもというのだ。
「案外少ないわよね」
「そうよね」
二人でこうした話をした、そして。
ここでだ、春香はあらためて話した。
「韓国料理で辛くないのは宮廷料理で」
「他は辛いのね」
「それで辛くなくて熱くないと」
「駄目なのね」
「それだけでね、まあ麺がのびてるのは」
これはというと。
「問題外ね」
「出た時点でそれは」
「もう何考えてるの、よ」
「麺のことがわかってないわよね」
「というかプロ?」
春香は餃子をラー油と酢を入れた醤油で食べつつ言った。焼き餃子にはこの醤油が実によく合うのだ。
「それって」
「ええ、お店だからね」
「五十年続いてる」
「代々ね、ちなみにね」
ティンも餃子を食べつつ話す。
「昔からね」
「まずかったのね」
「そうみたいよ」
「それはある意味凄いわね」
「それでも残ってるのよ」
「まずくても」
「イギリスに行けって言いたくなるレベルでも」
それでもというのだ。
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