八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六十四話 予感その七
「反面教師にしないといけないですね」
「はい、その通りです」
「まさにですね」
「そうした最低な人達こそですね」
「反面教師として」
その立場でというのだ。
「見てです」
「ああはなるまいですよね」
「はい、何があっても」
それこそだ。
「そう思って」
「そしてです」
「自分を磨くべきですね」
「そうした者達は自分を磨くことはありません」
「そうですよね」
自分がひいては自分達が正しいことをしていると盲信していてしかも暴走してもよしとする、そんな連中が自分を振り返る筈がないし振り返らないなら自分を磨くこともない。そうしたことは有り得ない。
「本当に」
「そしてただひたすらです」
「腐っていくだけですね」
「そうしてです」
腐ってそうしてというのだ。
「何処までも腐って」
「腐敗を極めると」
「そこにあるものは何もありません」
「そうなりますか」
「ヘドロも腐敗している途中はまだ雑菌もいますが」
腐敗そして不潔の原因となる存在がというのだ。
「さらに進みますと」
「それで、ですか」
「はい、その雑菌もいなくなり」
そしてというのだ。
「無論他の生物もです」
「途中は蠅とかがたかりますね」
「汚物には蠅がたかるといいますが」
そして花には蝶が寄る、悪いところには悪人が寄るしいいところには善人が寄る。そういうことである。
「しかしです」
「腐敗も極めると」
「はい」
まさにというのだ。
「誰もいられないです」
「そうですか」
「そして後には何も残りません」
「そうなりますか」
「腐敗を極めた中でそこにいる者は腐り果て」
そしてというのだ。
「いなくなります」
「どうしていなくなるかは」
「それは様々です」
「死んだり現実にいられなくなって」
「悪事が公になり逮捕されたりもします」
「そうですか」
「そして誰もいなくなって」
そもそも暴走しても正しいことをしているとかよく言っても悪質な中二病患者の出来損ないみたいな連中が法律を守るとも思えない、法律を悪意に基づいて解釈していて自分達が正しいと思っている悪事がばれたら通報されるに決まっている、そうでなくても学校や職場や家庭でばれたらその時点で総スカンだ。それで居場所をなくすに決まっている。そうなってしまえばその悪事の場にもいられなくなる。
「そしてです」
「後にはですね」
「何もです」
それこそというのだ。
「残らないです」
「そうなりますか」
「人間は所詮完全に清潔でも生きられないですが」
「完全な腐敗の中でもですね」
「生きられないです」
そうしたものだというのだ。
「まことに」
「それも世の中ですね」
「白河の水はとありますね」
「松平定信についての短歌ですね」
「清廉潔白を求めてあまりにも厳しく」
そのうえでだったのだ。
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