八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六十四話 予感その四
「上陸する地域は大荒れでも」
「そうでない地域は、ですね」
「何でもないですね」
「そういうことです、その人にとっては大変大きなことでも」
「他の人にとってはですね」
「何でもないです」
「テストでもそうですしね」
こちらのことでもとだ、僕は述べた。
「赤点を取ってもその人だけのことで」
「他の人には関係がないですね」
「はい」
まさにとだ、僕は答えた。
「本当に」
「そういうことです、この度もです」
「個人にとってはですか」
「非常に大事な、一生を賭けたもので」
「他の人にとっては何でもない」
「そうしたお話です」
「そうですか、世界にはですね」
畑中さんにあらためて尋ねた。
「関係ないですね」
「特に」
「そうしたものですか、ですが」
ここで僕は思った、そしてその思ったことを畑中さんに話した。
「親父にとってはですね」
「かなりです」
「重要なことですか」
「はい」
「というと」
その思ったことを僕はさらに話した。
「まさか秋田に」
「今は申し上げらません」
「そうですか」
「そこはお察し下さい」
「わかりました」
「察することは、考えることは誰にも止められないです」
だからだとだ、畑中さんは僕に話してくれた。
「ですから」
「そのことはですね」
「義和様の思われる様に、ですが」
「それでもですか」
「今はお話出来ないです」
「そうしたお話ですね」
「ですが必ずです」
畑中さんは僕に畏まって話してくれた。
「このお話は成功で終わります」
「悪事は、ですね」
「その時は隠せても」
「必ず明るみになって」
「裁かれます、正義は遅刻する時もありますが」
それでもというのだ。
「来ないことはないです」
「ですね、正義はどうも遅刻癖があります」
何故もっと早く来てくれなかった、そう思う時も多い。正義というものはヒーローよりも来るのが遅い時がある。
「ですが」
「それでもですね」
「必ず来ます」
「来ないことはないですね」
「それが正義です、そして邪悪をです」
「必ず打ち破りますね」
「女神の天秤は公平です」
天秤座のそれだ、正義の女神アストレイアが持っている。
「必ずです」
「その正義を確かにしてくれますね」
「僕その言葉は極東軍事裁判について読んでいるうちに知りました」
正論のバックナンバーでだっただろうか、それは。
「時が来ればですね」
「天秤は正確にその審判を下してくれます」
「そうですよね」
「あの裁判のお話ですと事後立法で」
そもそもだ、法律を決めてその前の行為にその法律を適用なんかしたらもうそれこそ法律の恣意的な施行に他ならない。
「しかもナチスの犯罪を日本の戦争行為に無理に当てはめた」
「無茶苦茶なものでしたね」
「尚且つ冤罪ばかりでした」
事後立法、組織の犯罪と戦争行為を混合ししかも冤罪ばかりのだ。
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