八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

「そのうえで、です」
「裁かれますね」
「そうなります」
「そうですね、悪事っていうのは」
「隠してもです」
「何時かは明るみになって」
「そしてです」　
　そのうえでというのだ。
「裁かれるのです」
「そうですよね、しかし」
「しかし、ですか」
「何か今日の畑中さんは」
　畑中さんを見て実際に言った。
「いつも以上に真剣ですね」
「はい、思うところがです」
「あってですか」
「言葉も選んでいます」
「そうですか」
「そしてです」
　そのうえでというのだ。
「その時が来れば止様は必ず」
「親父は、ですか」
「ことを果たされます」
「そうですか」
「はい、必ずです」
「何かわからないですが」
　それでもだ、僕は直観として感じて言った。
「きっとです」
「それでもですね」
「親父に何かあればお願いします」
　畑中さんに心からお願いした。
「その時は」
「お任せ下さい、絶対にです」
「親父はですね」
「私がお護りします」
「宜しくお願いします、畑中さんがいてくれたら」
　それならだ。
「心配はありません」
「それに総帥様も」
「あの人もですか」
「ご承知で」
　畑中さんは僕にさらに話してくれた。
「お力を貸してくれるとのことで」
「あの人がそうしてくれたら」
　世界屈指の企業グループの総帥でもある人だ、その影響力は世界にかなり広く強く及ぶ様なそんな人がだ。
「凄いですね」
「左様ですね」
「あの人がそうしてくれるなら」
「もう、ですね」
「鬼に金棒ですね、ただ」
「ただ、とは」
「あの、何といいますか」
　世界屈指の企業グループの頂点に立つ様な人が動かれるのだ、僕はそのことから畑中さんに対して述べた。
「あの人が動かれる様な」
「大きなことだと」
「そうじゃないですか？」
「いえ、実は」
「そこまではですか」
「大きなお話ではないです」　
　そうだというのだ。
「世界に及ぶ様な」
「そうしたお話ではないですか」
「はい」
　こう僕に話してくれた。
「日本の中の小さいと言えば小さい」
「そうしたお話ですか」
「傍目から見ればそうな」
「そんなお話ですか」
「ですが嵐は吹き荒れている場所では恐ろしい災厄ですね」
　ここで畑中さんは僕にこんなお話をしてくれた。
「しかし遠く、嵐の吹き荒れていない場所では」
「何でもないですね」
「極論すればそうですね」
「そうですね、どんな台風でも」
　それがかつてないまでの巨大なものでもだ。