| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百二十八話 大軍出陣その七

「ちゃんと食べることが大事ですね」
「まさに医食同源やな」
 王は郁の言葉を受けてしみじみとした口調で述べた。
「食うことは」
「そやからですし」
「今もやな」
「ちゃんとバランスよく食べることですし」
「今はメニューにないけど」
 ここで陳は今自分達が食べている料理達を見て言った。
「白米ばかり食ってたら」
「脚気になるでし」
「そやな」
「それはこれからの僕ちん達の相手の国が教えてくれたですし」
「日本がやな」
「星の人達も日本も好きですしが」
 それでもというのだった。
「森鴎外は駄目ですし」
「あのおっさんあかん人やってんな」
「そやってんな」
 陳も王も郁のその話を聞いて言った。
「小説家、翻訳家としてはともかく」
「医者としてはな」
「本職医者やったけど」
「そっちは最悪やったんやな」
「お陰で僕ちんもですし」 
 郁はその目を憮然とさせて語った。
「あの人の作品を読まなくなったですし」
「この話を知ってからやな」
「明治の文豪はとんだ藪医者だったですし」
 郁は王にこうも言った。
「日本では昔藪医者、雀、竹、土手と位があったですしが」
「そうやったんか」
「一番下が土手だったらしいですしが」
「ほな鴎外さん土手医者か」
「いや、土手どころかですし」
「それ以下か」
「そうした医者だったですし」
 そこまでだったというのだ、
「あの人は」
「そこまで酷い医者やったか」
「ドイツ留学してそこでも優秀で有名になって」
 陳はお茶を飲みつつ話した。
「陸軍の医者のトップになったんやろ」
「陸軍軍医総監ですし」
「それがかいな」
「脚気には食べものだと認めず」
 そうしてというのだ。
「沢山の人を死なせたでし」
「それでかいな」
「あの男は最低の医者だったですし」
「そんな人やったんやな」
「白米ばかり食べてたでし」
 まさにというのだ。
「脚気になるでし」
「それで最悪死ぬな」
 王は餅を食べつつ言った。
「ほんまに」
「そうなるから怖いですし」
「栄養バランスはしっかりか」
「考えて食べるべきですし」
 郁の言葉は真剣なものだった。
「まさに」
「そういうことやな」
「それで、ですしが」
 郁はさらに言った。
「僕ちんとしてはですし」
「食事はやな」
「バランスよく食べてお茶も」
 これもと言って飲むのだった。
「しっかりと飲むべきですし」
「お茶は水分でな」
「これにも栄養があるからな」
「しっかりと飲む」
「そうすべきやな」
「そうですし、お茶はお薬にもなるですし」
 だからだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧