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夢幻水滸伝

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第百二十八話 大軍出陣その八

「いいですし」
「そやな」
「ほなお茶も飲もうか」
「是非ですし」
 郁は二人に応えつつまた飲んだ、そしてだった。
「そうして今は英気を養うですし」
「美味いもん飲んで食って」
「そうしてな」 
 陳と王は郁のその言葉を笑顔で受けてそうしてまた食べて飲んだ、周りの兵士達も談笑しつつ食事を楽しんでいた。
 このことは棟梁である羅と施も同じだ、羅は茶を飲みつつ施に言った。
「ええ感じやな」
「ああ、士気は高いわ」
 施も茶を飲みながら応えた。
「料理も茶も美味いしな」
「しかも将兵達は訓練もよお受けてる」
「それがええ運動になってな」
 それでというのだ。
「健康も維持出来てる」
「このこともええことやな」
「それでな」
 ここでまた言う施だった。
「日本の動きやが」
「南洋に勝ってやな」
「こっちに来てるわ」
「やっぱりそうやな」
「そして多分な」
 施は羅にさらに話した。
「琉球の辺りでな」
「連中とぶつかるか」
「そうなるみたいやな」
「そうか、琉球か」
「その北西辺りか」
 その琉球のというのだ。
「そこでぶつかってな」
「そうしてやな」
「そしてや」
 そこでというのだ。
「雌雄を決することになるわ」
「そうか、ほなな」
 羅は八宝菜を食べつつ応えた。
「そこで我等の戦になるが」
「どうして勝つかやな」
「正直日本が勝つとはな」
「その可能性は少ないって思ってたやろ」
「殆どないって思ってた」
「それは自分もや」
 施は青椒肉絲に箸を向けた、そしてその料理を見ながら羅に答えた。
「九割五分の割合でな」
「南洋が勝つって思ってたな」
「日本は兵力が少ない」
「それも圧倒的にな」
「あの兵力差やとな」
 日本と南洋のそれを見ればというのだ。
「流石にな」
「日本が勝つとはな」
「それはないとな」
 その様にというのだ。
「思うな」
「幾ら日本の方が技術が上で」
「星のモンの数が多うても」
「あの兵力差を見れば」
「まず無理やった」 
 どうにもというのだ。
「あの状況やとな」
「ほんまにな」
 それこそというのだ。
「日本が勝つ可能性は殆どなかった」
「けどそれがな」
「日本は勝って」
「それでこの中国と戦う」
「まさかの展開やが」
「それでもな」
「日本が相手なら」
 それならというのだ。
「戦って勝つ」
「相手が南洋でもそやが」
「そしてアメリカや他の勢力にも勝って」
「覇者になるのは中国や」
 即ち自分達がというのだ。 
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