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夢幻水滸伝

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第百二十八話 大軍出陣その五

「そしてその初戦がな」
「日本との戦やな」
「兵力は以上」
「技術は少し落ちるにしても」
「この数は圧倒的や」
「その数で押し潰せるな」
「いや、問題はある」
 二人に残が言ってきた。
「星のモンの数や」
「ああ、それか」
「それのことやな」
「こっちは二十二人やけどな」
 それでもというのだ。
「向こうは神星の人が三人でや」
「他の星のモンも多いな」
「合わせて五十人近くおる」
「このことがやな」
「日本最大の戦力やな」
「そや、南洋との戦ではそれを使って圧勝した」 
 残は二人にこのことを指摘して話した。
「それをどうするか」
「それがこっちがどう勝つか」
「その要因になるな」
「そやからやな」
「油断は出来んな」
「日本は確かに兵力は少ない」
 残もこのことはよくわかっている、そして自分達が率いている兵の多さもよく認識している。そのうえで言うのだ。
「けどな」
「星のモンは多い」
「それやな」
「そこが日本の強みで」
「侮れん相手やな」
「しかも兵の質もええ」
 その少ない彼等もというのだ。
「そこもや」
「頭に入れておくべきやな」
「僕等が勝つ為に」
「そや、絶対にな」
 まさにとだ、残は張と曹に話した。
 そしてだ、彼はこうも言った。
「あと南洋は四百万の大軍がおっても」
「それでもやな」
 張が残に応えた。
「指揮する星のモンがおらんかった」
「そうした状況に追いやられたな」 
 曹も応えて言う。
「日本との戦では」
「星のモンは指揮能力もこの世界に最初からいるモンよりええ」
「それでやな」
「大軍の采配も出来るな」
「勿論こっちの世界に最初からいるモンも采配は出来るが」
 それでもとだ、残はまた二人に話した。
「おらっち達の方がやっぱりええ」
「一人でもな」
 星の者がとだ、張は述べた。
「六百万の軍勢でも動かせるしな」
「それも的確にな」
 曹は張に応えた。
「出来るな」
「それがや、南洋はな」
「星のモンを全部一騎打ちで軍勢から引き離されて」
「それで軍勢同士の戦はな」
「日本は星のモンが率いてたし」
「全然勝てんかったな」
「戦の前に台風で随分痛めつけられたしな」
 このこともあってというのだ。
「結局な」
「日本は軍勢同士の戦で大勝利したな」
「一騎打ちでも全部勝ったし」
「そう思うとな」
「日本の星のモンの数は侮れん」
「そういうことや、おらっちも日本が勝つとは思わんかったが」
 それでもというのだ。 
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