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夢幻水滸伝

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第百二十八話 大軍出陣その一

               第百二十八話  大軍出陣
 モンゴメリはアイスワインを飲みつつマリーメイアに言った。
「こっちの方でも飲めるのが」
「ええですね」
「このアイスワインが」
「何ていうか」
 肴はソーセージにスモークドサーモンだ、そうしたものを楽しみつつそのうえでマリーメイアに話した。
「こうして僕等は平和にしても」
「今太平洋と地下世界は戦の真っ最中で」
「色々なってるから」
「この平和はあたし達だけです」
「そうやねんな」
「それで、ですが」
 ここでラザワウナリスンも言ってきた。
「南洋が日本に負けましたね」
「それな」
「予想外のことでしたね」
「いや、確かに南洋有利でも」
 それでもとだ、モンゴメリはラザワウナリスンに答えた。
「勝つ可能性はあったと」
「思いますか」
「そう思うわ」
 こう言うのだった。
「僕は」
「六十万と四百八十万の兵力差を覆した」
「それでもな」
「勝つ可能性はですか」
「零やなかったさかいな」
 それでというのだ。
「まあ勝つこともな」
「有り得たと」
「向こうには神星三人もおって」
 それでというのだ。
「星のモンもな」
「多いので」
「それでな」
 その為にというのだ。
「後は頭を使ったらな」
「日本にも勝機はあった」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「日本は勝った」
「そういうことですか」
「実際にな、ただ」
「ただとは」
「僕も日本があそこまで鮮やかに勝つとは」
 その様にとはいうのだ。
「思わんかった」
「そうでしたか」
「確かに戦力差は圧倒的でな」
 兵力のそれはというのだ。
「技術も南洋の方が下でも」
「それでもですね」
「多少程度の差やったからな」
「南洋有利なのは事実でしたね」
「それもかなりな、けどな」
 モンゴメリはスモークサーモンを食べつつ話した。
「日本はあそこまで勝ったからな」
「知略ですね、芥川さんの」
 マリーメイアは彼のそれだと看破した、そうしつつアイスワインを飲んだ。凍らせた葡萄から作ったワインは実に美味かった。
「勝因の一つは」
「それはあるな」
 モンゴメリも否定しなかった。
「やっぱり」
「そうですね、けれど」
「南洋の神星は二人共四智星や」
「頭のええ」
「けどリーの頭のよさは政とか学問で」
 そちらに向いているというのだ。
「知識、教養や」
「それやな」
「それでシェリルちゃんはな」
 彼女の頭はというと。
「術とか獣特にドラゴンを操る」
「そうしたものですね」
「実は兵法特に戦略戦術はな」
「専門外でしたか」
「けど芥川は軍師や」
 この立場だからだというのだ。 
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