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夢幻水滸伝

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第百二十七話 破られた必勝その十三

「ちゃんとした人だから」
「自分の働きもやろ」
「今回は言うなら残業ものだったわ」
「それも連日真夜中までのな」
「そうだったけれど」
 そこまでの激務だったがというのだ。
「ちゃんと特別手当も出してくれるし」
「つまりボーナスね」
 宮子はその手当が何かすぐにわかった。
「それを出してくれるのね」
「そのうえ戦争中だけれど」
 それでもというのだ。
「ちゃんとね」
「休ませてくれるのね」
「中国軍との戦いまで」
 まさにその時までというのだ。
「ゆっくり休んでいいとね」
「言ってくれたのね」
「そう、だから」 
 千歳は小さな身体でカレーを食べつつ宮子に答えた。
「実際にそうさせてもらうわ」
「それな、太宰さん確かに締めるとこは締めるけれど」
 房江はカレーの二杯目を食べつつ千歳に応えた。
「ホワイトは徹底してるからな」
「そうした人よね」
「そやからな」
「日本にいると」
「ええわ、まあ太平洋と地下世界の全部の勢力がホワイトみたいやけどな」
「というかブラックなことする人は」
 宮子もカレーをおかわりしつつ話した。
「いないから」
「太平洋と地下世界にはな」
「重罪人には重労働を課すけれど」
「そら極悪人はな」
「当然の報いね」
「そやからな」
 それでとだ、房江は宮子に返した。
「それは仕方ないやろ」
「そうなるわね」
「そや、というかこれが枢軸やったらな」
 ロシアとインドの同盟はというと。
「もうな」
「超絶ね」
「こっちより罪人の扱い過酷でな」
「懲罰大隊にシベリア、そうしたね」
「そうしたことしてるからな」
 それも普通にだ。
「それも軽く」
「しかもあそこは」
 千歳もこの話に入った。
「戦の時生き返るからって友軍も攻撃するわね」
「そうみたいね、必要なら」
「恐ろしいわね」
「私達は出来ないけれど」
 流石に友軍を攻撃することはというのだ。
「敵軍と混戦状態の時に」
「そこで砲撃や術での攻撃がいいと思えば」
「普通にするから。民衆の場所も」
 住宅地や民間産業の施設もというのだ。
「躊躇なくだから」
「恐ろしいわね」
「そやからブラックや」
 房江は千歳にあらためて話した。
「あそこは」
「そういうことね」
「そや、それはな」
「太平洋と地下世界ではないわね」
「普通に不始末は重労働とかやしな」
 日本等では罪に問われない様なことでもというのだ。
「炭坑とかで」
「凄いところね、枢軸は」
「あそこは半端やないで」
「そういうことね」
「そや、まあとにかく今はな」
 房江は千歳に牛乳を入れた杯を差し出しつつ彼女に話した。
「自分はゆっくり休むことや」
「次の戦までは」
「軍議には出るにしてもな」
 この時以外はというのだ。 
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