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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十二話 夜の屋上でその十四

「いいんだよね」
「それじゃあ」
「飲むよ」
 この一本をだ。
「それで寝るから」
「私もね」
「そうするね」
「もう朝は」
 この時はというと。
「すっきりよね」
「それが一番だよ」
「ええ、私も飲むわ」
 こう言ってだった、香織さんも。
 スポーツドリンクを開けてごくごくと飲みはじめた、そして半分程開けてだった。僕に笑って言って来た。
「これでね」
「かなり酔いが醒めるね」
「二日酔いも」 
 今僕達が気にしているこちらのこともだ。
「かなり楽になるよ」
「なっても」
「なるにはなっても」
 それでもだ。
「ましになるからね」
「そのましになるだけでも」
 まし、小さい様でだ。
「違うから」
「飲んでいいわね」
「僕はそう思うよ」
「私もよ」
「少しの違いが」
 気休めとか言われてもだ、ないよりましという言葉があるし零ではないからだ。全くないのと何かあるのとではかなり違う。
「大きいから」
「スポーツドリンクも」
 これ一本でだ。
「違うんだ」
「零じゃなくなる」
「一でも」
 些細じゃない、これだけで天と地だけの差があるんじゃないだろうか。
「いいから、そして」
「一をね」
「増やしていって」
 そしてだ。
「百にもね」
「なっていくから」
 だからこそだ。
「少しでもね」
「やることね」
「勉強とかスポーツも」
 こう言ったものでもだ。
「やっても一緒とかね」
「言ってるとね」
「伸びないよ」
 このことを確信している、僕としては。
「無駄だとか無理とかね」
「そう言って何もしなかったり」
「他の人に言うとか」
「そうしたことはなのね」
「僕個人は好きじゃないよ」
 どうにもだ。
「そんなこと言う前にね」
「まずはよね」
「自分がね」
「努力すべきよね」
「龍馬さんは絶対にそんなこと言わなかったと思うよ」 
 学問や商売がだ。
「それが正しい方向に行くかどうかは言っても」
「それでもはのね」
「古いとか時代に合わないとか言っても」
 そうしたことは言ってもだ。
「何かしても無駄、無理とかね」
「確かにあの人は言いそうにないわね」
「まず一歩踏み出す」
「そう言う人よね」
「だから脱藩して」 
 それが土佐藩では罪に問われることでもだ、後で板垣退助が罪が赦される様に奔走したけれどそこまでする人が本当に子供の頃とはいえ龍馬さんをいじめていただろうか。 
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