八条学園騒動記
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第五百五十五話 喫茶店での話の後でその四
「本当にね」
「最初からなのね」
「人からは恨みは買わない」
「それがどんな人でも」
「だって今立場が悪い人がずっと立場が悪いっていうのもね」
このこともというのだ。
「わからないね」
「ええ、人って浮き沈みあるから」
「ドン底にあった人が頂点に上がることもあるよ」
「そうよね」
「あのヒトラーなんか」
「あ、浮浪者でね」
「半分ね、けれど」
そこからだったのだ。
「悪い奴にしても」
「ドイツの総統になったわね」
「だからね」
「人はずっとドン底にいるとか」
「まずないよ、軍なんか」
ピーターは今度はこの組織の話をした。
「若い兵隊さんをいじめていたら」
「その兵隊さんが?」
「自分をいじめていた人よりも階級が上になるとか」
「あるのね」
「ざらだよ、士官になれば」
それでというのだ。
「もうね」
「あっ、もう立派な士官ね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「もうね」
「それはなのね」
「わからないから」
「自分より下と見てそうしたことしたら」
「後できたりするし、それに」
「それに?」
「自分より下と見たら攻撃するとか」
それはというのだ。
「もうこれ以上はない位の弱者じゃない」
「確かに」
ティンも頷くことだった。
「そんな人は」
「そんな人間になったら」
「もう嫌になるわね」
「普通の人は自分がね」
「そうなるわね」
「そうならない様な人がね」
まさにというのだ。
「若い兵隊さんをいじめたりして」
「後でその兵隊さんが士官になったりして」
「お顔を青くさせたりするんだよ」
「何かされたらどうしようって」
「実際にされた方は忘れてないから」
ピーターは現実を話した。
「表立っては何もしなくても」
「それでもなのね」
「裏で憲兵隊にその人達が過去に何をしたとか」
「言うのね」
「そうしたらその人達憲兵隊にマークされるから」
軍の中の警察である彼等にというのだ。
「いじめは立派な暴力、パワハラやモラハラだから」
「それでよね」
「マークされるよ」
「過去何をやったら記録されるのね」
「憲兵隊全部にね」
「それはきついわね」
「そうなったら査定にも影響するし」
その軍人個人個人への評価にもだ。
「いじめやっていた様な人はね」
「成績にも影響するわね」
「ボル力を振るうイコール指導に問題あり」
「そう思われるのね」
「そうもね」
「そういうことね」
「そこからお給料も減るし」
どの職業でも生命線である最も重要なものがというのだ。
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