八条学園騒動記
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第五百五十五話 喫茶店での話の後でその三
「今は自分でかなり卑劣で残忍で陰湿で執念深くなったって言ってるよ」
「受けた攻撃を恨んでるのね」
「あの時囃した相手は全員覚えてるらしいから」
「それは凄いわね」
「大学にも行って」
そしてというのだ。
「かなり勉強家になったけれど」
「それでもなのね」
「受けたトラウマはかなりのものだよ」
「色々酷いお話ね」
「間違っても」
ピーターはこうも言った。
「人の失恋は囃さない」
「トラウマをほじくり返すから」
「それで一生恨まれるからね」
「一生恨まれるとかね」
「嫌だよね」
「ええ」
ティンにしてもだった。
「それはね」
「そうだね、だから」
「私もなのね」
「言わないことだよ」
「囃さないことね」
「最初からね」
「それがいいわね」
ティンも納得することだった。
「本当に」
「そこはね」
「そうよね」
「さもないと」
「軽い気持ちで言ったとしても」
「それでもだよ」
「一生恨まれるのね」
ティンは納得した。
「流石にそれは」
「誰からもだよね」
「一生恨まれたくないわ」
「そうだよね」
「実害がなくても」
例えそうだとしてもというのだ。
「そんなね」
「深く恨まれるとかね」
「嫌だから」
「そう、だからね」
「それでなのね」
「決してだよ」
「人の失恋は囃さない」
「自分もされたら嫌だね」
ピーターはこうも言った。
「そうだね」
「ええ、やっぱりね」
「だからね」
「余計になのね」
「そこは気をつけて」
そしてというのだ。
「やっていくことだよ」
「人生の秘訣の一つね」
「失恋はそれだけ心の傷になるんだ」
そうだというのだ。
「そしてね」
「それでよね」
「そっとしてあげることだよ」
「誰の失恋でも」
「自分で詩とか小説にする人はいるけれどね」
自分自身の失恋を題材にしてだ。
「けれどね」
「これもよね」
「そこまでの葛藤を思うと」
「やっぱり」
「物凄いものがあるから」
それでというのだ。
「からかわないことだよ」
「それがいいわね」
「それも人生で大事だよ、人の傷付いてる部分を茶化すこと自体よくないし」
このこと自体もというのだ。
「だからね」
「余計によね」
「すべきじゃないよ」
「そういうことね」
「若し一生恨まれて」
「それが実害になったら」
「洒落にならないしね」
このこともあってというのだ。
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