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八条学園騒動記

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第五百五十五話 喫茶店での話の後でその一

               喫茶店での話の後で
 ティンは家に帰ると兄にカトリとの話のことを話した、そのうえで兄に対してこんなことを言った。
「いや、思わぬね」
「色々なお話をしたんだね」
「そうなったわ」 
 こう言うのだった。
「これがね」
「そうなんだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「凄いプラスになったわ」
「貴重なお話ばかりだったからね」
「むしろ髪の毛のことよりも」
 最初に聞くつもりだったし実際に聞いたこのことよりもというのだ。
「他のことがね」
「貴重だったね」
「そう思うわ」
「僕もそう思うよ」
 ピーターも微笑んで答えた。
「むしろ今日のお話はね」
「髪の毛のことよりもね」
「そっちのお話の方がね」
「私にとって有益なことね」
「プラスになるね」
 有益という言葉をこう言い換えた。
「そうしたね」
「お話なのね」
「そう思うよ、本当によかったじゃない」
「そうよね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「人生こうしたことは結構あるよ」
 妹にこうも話した。
「実はね」
「そうなの」
「そうだよ、これがね」
「そうなのね」
「それでね」
「それで?」
「そこから人生観が変わったりするんだよ」
 妹にこのことも話した。
「思わぬところからね」
「そうなの」
「そうしたものだよ」
「ううん、何かね」
「実感ないよね」
「どうもね」
 ティンは正直に述べた。
「そうなるってことはね」
「そのうちわかるよ」
「実際に経験して」
「それでね」
「経験が最大の勉強っていうわね」
「ただし授業料は高いよ」
「高いの」
「そうだよ」
 こう妹に話した。
「痛い思いもするから」
「ああ、痛い思いね」
「失敗とか怒られたり」
「色々ね」
「そうしたものも入るから」 
 だからだというのだ。
「経験は最大の勉強だけれど」
「授業料は高いのね」
「ただじゃないよ」
 決して、というのだ。
「それはね」
「そうなのね」
「それでね」
「それで?」
「あまりにも高くて」
 経験の授業料がというのだ。 
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