八条学園騒動記
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第五百五十四話 美髪の秘密その九
「荒ぶる神のままでも」
「そうなっていきますね」
「セトみたいな神様でもね」
エジプトの荒ぶる神だ、古代エジプトでは邪神とされることが多く悪の権化とさえされていた程である。
「今は違うからね」
「太陽を守る神様になってますね」
「そうなのよね」
「悪い神様ではなくなってますね」
「何処かひょうきんなね」
そうした性質も持ったのだ。
「色々変わってるわね」
「本当にそうですね」
「平和だと」
そうした時代ならというのだ。
「それで豊かなら」
「余計にですね」
「神様の性格もね」
「そうなっていきますね」
「ええ、本当にね」
「そうみたいですね」
「邪神でもね」
そう言われる神でもというのだ。
「変わっていくわね」
「そうですね、ただ」
「ただ?」
カトリはティンの言葉に問うた。
「どうしたの?」
「連合の神様っていい面と悪い面がある神様多いですね」
「いいことをすれば悪いこともする」
「そうした神様も」
まさにというのだ。
「多いですね」
「そうね、邪神な一面もあれば」
「善神の一面がある」
「そんな神様も多いわね」
「そうですよね」
「それ言ったらセトとかね」
先程挙げたその神の名前も出した。
「テスカトリポカも」
「そうですよね」
「どんな人にもいい面と悪い面があって」
「それがね」
まさにというのだ。
「神様にもよ」
「出ていますか」
「そういうことかしらね、連合ってどの宗教でも絶対の邪神はいないけれど」
このことは実際のことだ、連合ではそれこそエウロパ以外は絶対の悪とは考えない風潮があるのだ。
「それでもね」
「悪い一面がある神様もいる」
「というか逆にね」
「逆にといいますと」
「結局絶対の善神もね」
そうした神もというのだ。
「いないのよ」
「そうした意味で逆ですか」
「そうかしら」
「そういうことですか」
「ええ、人間は人間ならね」
この存在であるならというのだ。
「善であり悪であるでしょ」
「そうですね、両面がありますね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「さっきお話した餓鬼はね」
こちらの存在の話もするのだった。
「もう人間じゃないから」
「生きていて餓鬼になる人は」
「そう、それは」
まさにというのだ。
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